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こんばんは! エオ・マクベインの「われらがボス」(井上一夫訳、1976/5、ハヤカワ文庫):87分署シリーズです。架空の都市アイソラの警察群像劇で、87分署の刑事たちの捜査の様子を、彼らの私生活の描写も交えながら描く、人間ドラマも魅力の長寿シリーズです。 1月の厳寒の夜、町外れの溝に6体の死体が投げ込まれていました。男が3人、女が2人、赤ん坊が1人。赤ん坊まで含まれていたことが刑事たちに衝撃を与え…
1999年発表の本書は、デボラ・クロンビーの<ダンカン&ジェマもの>の第6作。前作「警視の死角」で死んだ元妻の忘れ形見キットが、自分の子供だったことを知ったダンカン・キンケイド警視は、キットとの距離感に悩んでいる。恋人で部下でもあるジェマ・ジェイムズ巡査部長も、トビーという息子を抱えるシングルマザー。彼女にアドバイスされながら、この日は親子でウィンブルドン見物を企画していた。 しかし事件があるとプ…
戦前~戦後の北海道の奥地で、羆に頻繁に出くわしながら、羆と死闘を繰り広げて、暮らした一家のノンフィクションだ。 これほど、リアルに羆との向き合いを描いた作品はないのではないかと思う。 アイヌの猟師が、向かってきた羆にほ~と 声をかけると前足をあげて、立ち上がる。 その刹那に、銃撃すると、後ろ足が使えなくなり、攻撃できなくなるというのには驚いた。 最近の熊騒ぎを見るに、熊の狩猟のノウハウは、受け継い…
今回は、「二流のススメ」です! note.com
最後の一行 white作者:金子 玲介,斜線堂 有紀,法月 綸太郎,芦沢 央講談社Amazon 収録作品は以下の四編。 ・金子玲介「ゼリーに満たされて」 ・斜線堂有紀「人魚の骨を拾い往く」 ・法月綸太郎「次はあんたの番だよ」 ・芦沢央「ひび割れ」 「ラスト一行で世界が反転する短編を書いてください」 という要望に応えて書かれた作品たち。 正直、この要望をきっちり満たしている作品はない。 最初の三作は…
アニメ版『氷菓』をようやく観たのをきっかけに——私はこうした名作を観逃している——、米澤穂信のデビュー作『氷菓』(二〇〇一)を久しぶりに読み返し、分析した。本記事ではこの分析を提示した上で、米澤穂信という作家の(少なくともある一時期の)特質を浮き彫りにすることを目指したい。 【以下、本作の核心に触れる。参照するのは角川文庫版であり、丸括弧内の算用数字は同書の頁を示す。】
英国作家の処女作。タイトルがいいし、表4のあらすじも面白そうで、賞の候補になるなどしているので、新作ながら手にとりました。 とはいうものの、ミステリではなく、単なるサスペンス小説でした。何も考えずに読めるぐらい非常に読みやすく、リーダビリティはあるのですが、いかんせん謎解き要素がまったく皆無。とうわけで、☆☆☆★といったところです。 夜が少女を探偵にする(新潮文庫) 作者:マリー・ティアニー 新潮…
みなさま、こんにちは!12月も中旬になりますね。紅葉のピークが去り黄金色や紅色の葉が地面を絨毯として埋め尽くします。その鮮やかな色彩が織りなす世界は美しさの極み。毎年、繰り返されるのだけれどすっかり忘れていて感動させてくれる幸せ。もう間もなく冬至です。その頃にはすっかり葉が落ちているのでしょうね。今のうちに公園や街路樹の立ち並ぶ場所に寄り道したいと思います。みなさまはお気に入りの落ち葉が積もる場所…
それは夏の午後のことでした。 風も無く空はすっきりと晴れており、動物園の園内はギラつく太陽に炙られて、干上がるような暑さです。 巨きな体で人気の象さんも、百獣の王ライオンさんも、スーパーモデルのようなスタイルを誇るキリンさんも、猿山にたむろす猿さんも、いささか暑さにぐったりとしています。もともと暑い国を故郷にしている彼らですが、だからといって日本の暑さが全然平気というわけでもないのでした。 もちろ…
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