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1987年発表の本書は、エリス・ピーターズの<修道士カドフェルもの>の第14作。スティーブン王は女帝モードを包囲しているが、女帝側の軍勢もフランスから舞い戻ってきている。シュルーズベリ周辺は平穏なのだが、近くの荘園主ルーデルが死んだ。彼はリンカーンの戦いで王に従って奮戦し、得た傷がもとで命尽きたのだ。彼には5歳の時にシュルーズベリ修道院に預けた、10歳になる息子リチャードがいた。 彼の領地は修道院…
こんばんは! 千早茜の「透明な夜の香り」(集英社文庫、2023/2)その2でおしまい:人並み外れた嗅覚を持つ調香師小川朔と、彼の家でお手伝いのアルバイトをしている一香の物語。朔はそのたぐいまれな嗅覚で嘘の匂いもかぎ分ける。一香にも嘘をつくな、と言うし、依頼人の噓を感知すると依頼を断ることもある。「最初から正直に話してくれたらよかったのに」と拒否する朔に、依頼人は食い下がります。朔は依頼人が望んだ不…
『On Your Mark』の謎 〜その3〜 《このシリーズは、すでに視聴されている方を対象としています。ご容赦ください。なお、以下の解釈は、できるだけ、アニメを見ながら読んでいただけるとありがたいです。》 © 1995 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli 『On Your Mark』の謎 ①繰り返しがある(よく見ると、2箇所)。繰り返しはなぜ起こっているのか、その意味は何か…
D.M.ディヴァインの本著を読んでみた。 ちょっと、前に読んだ2作品とは、異なる、軽いノリの 始まりかただった。 何しろ、ジゴロ稼業のハンサムな男が、婚約者に捨てられて失意の旅に出ている美人令嬢を篭絡しようとするのだ。 そして、驚くほど短い期間で、篭絡に成功して、美人令嬢の実家に婚約を告げに行くのだ。 しかし、そこで、事件が発生する。 3分の2くらいまでは、少々、スローな展開で、長く感じた。 しか…
もつれ星は最果ての夢を見る作者:市川 憂人PHP研究所Amazon SFミステリの秀作。 SF要素が、単なるミステリに於ける「特殊設定」 という枠にとどまっていない。 ガジェット程度の話ではなく、 テーマそのものを幾つも内包するほど、 ガッツリSFをやってくれている。 ミステリとして評価するだけでなく、 SF作品としても十分に評価に値する作品だろう。 勿論、ミステリとの融合性もばっちりで、 しっか…
池袋ジュンク堂でベストセラーとして紹介されていた新書です。――ちなみに講談社現代新書ではないんですね。いわゆる文芸書なのでしょうか? 本書は小説家が小説を生み出すときにどのようなことを考えているかを説明しています。――エッセイなんだろうか? なぜ本書のような内容のものが売れているのか? まったくわかりません。いままで説明されたことがないテーマで、内容も緊密で、分量が少なかったからでしょうか。それが…
NHKの「未解決事件」。本日の放送は「三億円事件」。 昭和世代の私にはお馴染みの未解決事件ですが、知らない人は、こちらをどうぞ ja.wikipedia.org 要約すると、 「1968年、東京・府中で白バイ警官を装った男が東芝府中工場の現金輸送車から約3億円を奪って逃走。日本犯罪史上最大級の未解決事件で、1975年に公訴時効が成立」 三億円事件の考察本は数多あります。確か、松本清張も考察していた…
みなさま、こんにちは!12月も中旬になりますね。紅葉のピークが去り黄金色や紅色の葉が地面を絨毯として埋め尽くします。その鮮やかな色彩が織りなす世界は美しさの極み。毎年、繰り返されるのだけれどすっかり忘れていて感動させてくれる幸せ。もう間もなく冬至です。その頃にはすっかり葉が落ちているのでしょうね。今のうちに公園や街路樹の立ち並ぶ場所に寄り道したいと思います。みなさまはお気に入りの落ち葉が積もる場所…
今回はアメリカの探偵小説作家ヘレン・マクロイの『家蠅とカナリア』(1942)を取り上げる。この充実した作品は同時期のクリスティー作品と比較したくなるような、独自の「騙り」を含んでいる。以下では、探偵小説としての驚きの中心点へと導いていくような仕方で、本作を論じてみたい。 参照するのは深町眞理子訳(創元推理文庫、2002年)である。丸括弧内の算用数字は同書の頁付けを示す。 【以下、本作の核心に触れる…
それは夏の午後のことでした。 風も無く空はすっきりと晴れており、動物園の園内はギラつく太陽に炙られて、干上がるような暑さです。 巨きな体で人気の象さんも、百獣の王ライオンさんも、スーパーモデルのようなスタイルを誇るキリンさんも、猿山にたむろす猿さんも、いささか暑さにぐったりとしています。もともと暑い国を故郷にしている彼らですが、だからといって日本の暑さが全然平気というわけでもないのでした。 もちろ…
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