自作小説
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【その綿棒、凶器につき】 その日のLは、いつにも増して神々しかった。椅子に浅く腰かけ、視線は虚空の一点へ。潤みを帯びた眸には、得体の知れない熱が宿り、落とされた肩のラインはいつもより細く、今にも消えてしまいそうなほど儚げだ。Vはその「静止画のような美」をおもしろがり何枚も写真に収めた。 「今日のL、なんだか美術品みたい」 しかし、その異変を瞬時に見抜いたのは、保護者のRだった。「具合が悪いの?」 …
今週のお題「馬」 アイディア出し、プロット作成、下書きして、ChatGTPに課金して清書してもらって、書き上げるというプロセスで小説書きました。 前作は誰も最後まで読んでもらえなかったので、今作はもっと読みやすい感じ、バトルを多めにしようと思ったんですけど、設定を練るうちに、やっぱりやりすぎてしまいました。 馬のように駆け巡って、執筆期間は約一ヶ月くらい(無理やりお題に繋げる)。 下書き含め、10…
あの日の翌朝、 温かなものに包まれる感触で目が覚めたことは、今でもはっきりと覚えている。 私が起き出すと、あの子もまた同時に起きて来た。 きっと、私と同じようにして、目が覚めたのだろう。 「お父さんは、元に戻ったんだね。」 おはようの挨拶よりも先に聞こえたのは、こんなあの子の声だった。 あの日の夕方には、あの子も家へと帰り、 また私たちは、それぞれの日常生活へと戻った。 あれから、梅雨にしては、や…
〈第一話 静雨譚〉 雨は、降り続いていた。 それは濡れない雨。 雲の縫い目から零れ落ちるような細い粒子は、掌に受けても水滴にはならず、ただ微かに肌をくすぐって消えていく。 この雨が降り始めてから、季節は変わらなくなった。冬は遠のき、夏も来ない。街は、同じ温度と光の中で緩やかに時間を繰り返している。 世界の人口は半分になった。 消えたのか、去ったのか、それともどこかへ移されたのか──誰も知らない。た…
ミュージシャンになる、という夢を抱いて都会へ出てから10年。夢に見切りをつけて故郷へ帰って来た。懐かしい我が家には埃が積もり、年月の流れを感じたのだった。掃除をして、様々な思い出の品を見つけ、この家から再スタートを切る決心をする。そして都会暮らしをしていた自分を思い出すと、奇妙な事実に行きつくのだった。 1 故郷の駅へ近づくと、田園風景が広がっている。 ローカル線の、ガタンゴトンというリズムが身体…
「いいや、わが子よ」と彼は私の肩に手を置いて、いった。「私はあなたとともにいます。しかし、あなたの心は盲いているから、それがわらかないのです。私はあなたのために祈りましょう」 そのとき、なぜか知らないが、私の内部で何かが裂けた。私は大口をあけてどなり出し、彼をののしり、祈りなどするなといい、消えてなくならなければ焼き殺すぞ、といった。私は法衣の襟くびをつかんだ。喜びと怒りのいり混じったおののきとと…
咲良と陸は、安全を考えて都市部を避け、田舎道を選んで進むことにした。最初はコンクリートで固められた道を歩いていたが、その道は次第に砂利道へと変わり始めた。足元で砂利がジャリジャリと音を立てる。 周囲の風景は、都市の喧騒とは一変して静寂に包まれていた。生い茂る木々が道の両側に立ち並び、その枝葉は厚く、日光を遮断していた。まだ昼間のはずなのに、木々のトンネルの中はまるで薄暗い夕暮れ時のようだった。風が…
最初から書き直しちゃおう。全然できてないから。 今出してる話も消しちゃう。
→→→昧爽の迷宮へ(1) こんばんは。 『昧爽の迷宮へ』、いかがでしたか? 次作のネタは、書いてるうちに浮かぶもの――だそうですが、すぐに次を書くのは控えて、しばらく構想を温めたいと思います。なので、1か月ほどお休みをいただきます。他のブログの更新が遅れてしまっていますし。。。 最後の乱闘場面は、書いているうちに、予想もしなかったことが次々に起きて、何度も書き直しました。事前の下調べを綿密にやった…
「いらっしゃいませ~!」 早起きが得意な人が来店する朝。来店と同時に吹き込んできた空気は気持ちの良い暖かさ。 よかった……今日もいつもと変わらず清々しい。 「おはようございます。今日は何になさいますか?」 私はいつもの奥の席に腰を下ろした白髪のおじいさんの元へと愛想よく駆け寄った。 「おはよう。じゃあ、いつもので」 おじいさんは顔のしわを伸ばしてにこやかに微笑んだ。 「はい。かしこまりました」 そ…
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