ワクワクドキドキするようなミステリー小説を皆に読んでもらいたい、読んでみたいという人は是非一度!
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こんばんは! 斎藤美奈子の「趣味は読書。」(2007/4、ちくま文庫)その3でおしまい:内容は、「本書は1999年7月から2002年10月まで、三年あまりにわたって四十数冊のベストセラーを読み継いできた記録です」。 今年一年を振り返ってみますと、私にとって最大の成果は斎藤美奈子先生に出会えたことなのですが、先生はミステリーがお好きではない。その辺を紹介したいと思います。 第五章「大人の本は『中学生…
北山猛邦氏の新刊。初めての北山作品です。本作は建物消失をテーマにしたミステリ5編が収録されています。静かな語り口、読みやすい端正な文体で幻想的な物語を語っていきます。でも謎解きというよりは、幻想忌憚という感じだったかな。まあ謎解きミステリはポーや乱歩以来、すべて幻想忌憚の側面が強いけれど。というわけで、☆☆☆★(☆3.6)というところです。 神の光 作者:北山 猛邦 東京創元社 Amazon 次回…
今回はアメリカの探偵小説作家ヘレン・マクロイの『家蠅とカナリア』(1942)を取り上げる。この充実した作品は同時期のクリスティー作品と比較したくなるような、独自の「騙り」を含んでいる。以下では、探偵小説としての驚きの中心点へと導いていくような仕方で、本作を論じてみたい。 参照するのは深町眞理子訳(創元推理文庫、2002年)である。丸括弧内の算用数字は同書の頁付けを示す。 【以下、本作の核心に触れる…
放課後ミステリクラブ 7音楽室のゆうれいとおどるがいこつ事件作者:知念実希人ライツ社Amazon シンプルはシンプルなんだけど、ハウダニット一本勝負(しかも超絶ありがち) だった前作に比べると、だいぶマシ。 フーダニット(まぁ、万人がわかるに違いない犯人だけど)、 ハウダニット、ホワイダニット、ホワットダニットと、 バランス良くまぶしてある。 そのどれもが“わかりやすい”とはいえ。 動機をはじめと…
1952年発表の本書は、これまで「愚か者の祈り」などの警察小説を紹介してきたヒラリー・ウォーのデビュー作。本格ミステリーではわき役だった警官の組織的な捜査をち密に描き、近代警察小説の嚆矢となった記念作品である。 マサチューセッツ州ボストンの大学で、美しい1年生ローウェルが失踪した。人目を惹く美人だが、身持ちのいい娘と皆が認めていたのだが、体調が悪いと寮に戻った後着替えて出かけたらしい。翌日フィラデ…
▶あらすじ あのH・P・ラヴクラフトが多大な影響を受けた鬼才ホジスンは、異界への憧憬と恐怖を大海原に求めた。本書には、闇の海から聞こえる奇妙な声が、キノコに覆われたとある島の怪異を語る傑作「夜の声」をはじめ、死の海サルガッソーや海に浮かぶ石の船、さらにはカビに呑みこまれた廃船などにまつわる海洋奇譚全七編に、<カーナッキ>シリーズの先駆「水槽の恐怖」を収録した。 (個人的な)点数 8/10 バミュ…
「裏切り」 終章 翌日、翔一と桜子は片倉家の近所にある公園にいた。 「今回の事件は強盗殺人に偽装した怨恨による殺人事件だと思っていました。二種類の凶器が使用されたのも確実に相手に止めを刺すためだと思われた。しかし、事実はそうではなかった…」 「全てはお姉さんである梢さんを守るために行ったこと…そうよね?」 二人に呼び出されていた詩織は俯いたまま小さく頷いた。 「近所の方の証言でフードを被った人物が…