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患者たちのその後(241) アスペルガーを患う看護師のれいが作成したクライシスプランワークシート。私仕様に手を加え、一時間対応型へと組み直したものだった。 れいは、自身の生活のなかで積み重ねてきた当事者としての感覚と、看護師として現場で培ってきた経験の両方を織り込みながら、このシートを一から作り上げた。誰にでも真似できる仕事ではない。専門知識だけでなく、自分自身を観察し続けてきた時間が必要だった。…
こんばんは! 豊永浩平の「はくしむるち」(2026/1、講談社):デビュー作「月(ちち)ぬ走(は)いや、馬(うんま)ぬ走(は)いや」え新人賞を二つも受賞した作者の第2作目。本作は三島由紀夫賞を受賞しています。 沖縄の地上戦は住民を巻きこんだ凄惨な地上戦でした。沖縄の人々を大和民族ではないと差別してきたくせに、日本軍は現地の中学生さえも動員して彼らの未来を奪いました。未来を奪われた彼らは「ぼくら」と…
1996年発表の本書は、以前「紐と十字架」などを紹介したイアン・ランキンの<リーバス警部もの>の第7作。エジンバラにあるセント・レナーズ署のジョン・リーバス警部は、バツイチで一匹狼的行動で知られている。SAS出身だからというわけではないが、強引な捜査手法を採ることもあり、タフで決して自分を曲げない。 今回リーバスは、2つの不思議な自殺事件に関わることになった。一つは市長の娘カースティの行方不明事件…
アニメ制作会社のP.A.WORKSの作品解題などを含むノンフィクション物語かと思っていたら、P.A.WORKSの経営をどのように行ってきたか、を述べているもので、ビジネス書に近い。 日本の企業はデジタル機器の導入されて、インターネットが普及してから社会が変わりその対応に追われている。この中で共通しているのは、どのように人を育てるかだ。デジタル機器の導入は仕事内容を教えるときに徒弟制度的な側面で育て…
小説版 都市伝説解体センター 上 (集英社文庫)作者:松澤 くれは集英社Amazon 日本ゲーム大賞 優秀賞受賞の大ヒットゲームを完全小説化! 大学生の福来あざみは、幽霊のような真っ赤な人影が見えてしまう――という秘密に悩んでいた。 藁にも縋る気持ちで「都市伝説解体センター」を訪れる。 そこで廻屋渉という怪しいセンター長に出会い、ひょんなことから新人調査員として怪異や呪物などの都市伝説にまつわる奇…
アニメ版『氷菓』をようやく観たのをきっかけに——私はこうした名作を観逃している——、米澤穂信のデビュー作『氷菓』(二〇〇一)を久しぶりに読み返し、分析した。本記事ではこの分析を提示した上で、米澤穂信という作家の(少なくともある一時期の)特質を浮き彫りにすることを目指したい。 【以下、本作の核心に触れる。参照するのは角川文庫版であり、丸括弧内の算用数字は同書の頁を示す。】
▶あらすじ あのH・P・ラヴクラフトが多大な影響を受けた鬼才ホジスンは、異界への憧憬と恐怖を大海原に求めた。本書には、闇の海から聞こえる奇妙な声が、キノコに覆われたとある島の怪異を語る傑作「夜の声」をはじめ、死の海サルガッソーや海に浮かぶ石の船、さらにはカビに呑みこまれた廃船などにまつわる海洋奇譚全七編に、<カーナッキ>シリーズの先駆「水槽の恐怖」を収録した。 (個人的な)点数 8/10 バミュ…
「裏切り」 終章 翌日、翔一と桜子は片倉家の近所にある公園にいた。 「今回の事件は強盗殺人に偽装した怨恨による殺人事件だと思っていました。二種類の凶器が使用されたのも確実に相手に止めを刺すためだと思われた。しかし、事実はそうではなかった…」 「全てはお姉さんである梢さんを守るために行ったこと…そうよね?」 二人に呼び出されていた詩織は俯いたまま小さく頷いた。 「近所の方の証言でフードを被った人物が…