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何度も行く店は限られている。 山岡家もその一つである。 見た目は油っぽいラーメンである。 しかし、味は案外さっぱりしていると思う。 豚骨スープだっただろうか。 他店では再現できない、山岡家の味があるのである。 この味を言葉で表現することはできない。 ふと目線を上げると、額が目に入る。 山岡家の理念。 「ラーメンでお客様に喜んでもらう」 というようなことが書かれている。 わかりやすい。 理念や志のよ…
砂漠の都市を見下ろしながら、スコープ越しに世界を覗く男。 「番犬」として生きることの孤独と呪縛を映す一瞬。 クリント・イーストウッドの映画を見ると、「男らしさ」や「父性」という概念をどれほど複雑に扱っているかを思い知らされる。『硫黄島からの手紙』では英雄的な軍人がもっとも卑近な形で生き残り、『ジャージー・ボーイズ』では成功の影に父性の不在が揺らぎを生む。『アメリカン・スナイパー』もまた、その系譜に…
前回、光について少し妙なことを書いた。 前回記事「光の『履歴』は、どこで書き換わるのか」 光は、ただ空間を移動するだけではなく、途中の相互作用によって差分を生み、その差分が後続状態へ残るなら「履歴」を持つ通信として読めるのではないか。 自由に飛んでいる距離そのものを履歴量と数えるのではない。 何かと接触し、何かが変わり、その変化が次へ持ち越されたとき、そこで履歴が更新されるのではないか。 そんな話…
今、CBTの学びを受けている公認心理師の伊藤絵美先生から「治療者・支援者という立場で働く人には必読書だ。」とご紹介をいただき、『「回復」という毒』(風間 暁 著)を読みました。 「回復」という毒---支援に埋め込まれた構造的暴力 作者:風間 暁 日本評論社 Amazon もうね、頭を大っきなハンマーで、がつーん!と殴られたような衝撃が走りました。 著者の風間 暁さんは、自身も虐待や薬物依存、精神科…
若林 さっき國分さんがおっしゃっていた話で、資本主義を信仰と捉えるとしっくりくるのは、勝つことが幸福につながると皆が信じているからだと思うんです。信仰を広めるのがすごくうまくいってると思う。だから暇な時間が嘲笑の的になるんですよね。資本主義、新自由主義をみんなに浸透させる教育が、なぜこんなにうまくいったのか。今日の國分さんと僕の会話を例えば15%の人がしたら、浸透させようという側の人からすると困る…
50円のコロッケを、見知らぬ人に譲る。 それだけなら、ほんの小さな出来事です。 けれど小野寺史宜さんの『ひと』では、その小さな行為から、一人の青年の人生が少しずつ動き始めます。 派手な奇跡が起こるわけではありません。 働くこと。 食べること。 誰かと話すこと。 人に助けてもらうこと。 そして、自分も誰かを気遣うこと。 そんな日々の積み重ねを読んでいるうちに、「人と関わりながら生きる」という、ごく当…
パッと見は子供向けアニメの体裁を保っている。可愛いキャラクターたちが、可愛い声で、可愛い出来事に一喜一憂する。それだけを見ていれば、微笑ましい作品として成立している。 けれどじっくり目を凝らすと、あちこちに「いやーな」ポイントが散りばめられているのがちいかわという作品の恐ろしいところだ。今作の映画も例外ではなく、随所に不穏な影が差し込まれている。子供の頃に観た時は気づかなくても、数年経って見返した…
ある日、センセイに 自分を証明するなにかを持ってくるように言われた。 それは、名前でも、所属でも、経験値でもないらしい。
伊藤英明主演 『テラフォーマーズ』 ごきげんいかがですか。まんぱです。「実写化の失敗作」として有名な映画『テラフォーマーズ』。圧倒的な低評価を見て、鑑賞する気が起きないという人もいるかもしれません。たしかに見た目のチープさや大胆な原作の変更など、ツッコミどころはたくさんあります。ですが、配信サービスで気軽に観られる今、「肩の力を抜いて楽しめるB級SFアクション」として見直せる一面もあります。今回は…
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