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~ 追憶 武仲 ~ 俺はもう氷鷹には、あまり興味がなくなっていた。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 六限目終了のチャイムが鳴り、 俺とあいつは、 どちらともなく、 「帰ろうか」 と 言った。 虚ろな目で未だに痙攣し続けている、 保健の先生と氷鷹を置いたまま、 俺達は保健室を出た。 保健室を出る前、 あいつは保健の先生と氷鷹に、 窓辺に二つ置いてあった同じ形の一輪挿しを 無理矢理入れて大笑いしていた…
学校から帰ったリョーカが、夜間シフトで基地に詰めていたマルスに会いに来た。「あれ、どうしたの、リョーカ」 控えめなマルスの問いに、リョーカがはじけた様子で答える。「マルスに会いに来ちゃった」「そう」と、マルスは冷静だ。 リョーカが態度を改めて、「あの、接近戦闘の訓練、付き合ってくれない?」「接近戦闘?」「うん、アトスがね、マルスとできるだけ早く、接近戦闘を訓練した方がいいというの」 アトスはフォル…
www.youtube.com 壊れた夢の残骸をまだ抱きしめて眠ってる信じたものに裏切られてもそれでも手を伸ばしてた 明日を願うたびに何かを失っていく「きっと大丈夫」って言葉が一番の嘘だった 最後の希望は絶望救いなんて、もういらない光を追いかけるほどに影が深くなるだけ――ねぇ、神様なんていないそう気づいてしまった夜に残ったのは、壊れた私それでも生きてる、それだけ 愛されたいと願うほど心は擦り切れて…
秋のヤルダンは、夜になると急激に気温が下がります。彼女の背中を支えている砂岩も、すっかりと冷たくなってきていました。でも、高熱に浮かされてうわ言をつぶやいている理亜には、その冷たさも感じられてはいませんでした。「はぁ、はぁ・・・・・・・、か、あ、さん・・・・・・」 理亜の声はとても弱々しい上に、ひどくしわがれたものになっていました。王柔から渡された皮袋にまだ水は残っていましたが、もう彼女にはそれを…
太っ腹な男と辛子レンコン 見た目は細め、頭脳は子供、心は半分太っ腹、な男のお話。 まあ僕は太っ腹だからさ、あっはっは ガリッ! 歯に固いものが当たった。奥歯の詰め物が取れたかと思い、指をつっこんで取り出してみると、ガラスの破片だった💦 幸いなことに鋭利な断片ではなかったので、口腔内が傷ついた感覚はなかった。グラスの欠片のようにみえる。僕のビアジョッキに破損はない。おそらく厨房で、今僕のお口の中にあ…
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視線の内側に入っても、目に入っていないみたい。気にもされていないのが分かる。楽しんでいる彼女の、楽しんでいることに、ぼくはぜんぜん参加できていなくて、そのことに狂おしくなる。 眼中にまったく入っていない。意識されてないのがわかる。意識しているのは一方的にぼくの方だけなのだ……。 全くなんのアプローチもせず、ぼくはただ彼女の前を通り過ぎることしかできない。周りにどんなに人がたくさん居ようとも、彼女の…
Blue あなたとわたしの本 274 カフェ・マジックアワー (後編・完結) 智(とも) やがて青年は最上階に着いたようだった。階段がとぎれていた。上へと向かう手段はもうどこにもない。がらんどうの、船の甲板(かんぱん)を連想させる、赤みがかったデッキに立っていた。建物の白い壁面が右手につづいている。窓のひとつもない。だが、のっぺりとしたその壁に、みどり色に塗られた扉が嵌めこまれている。このドアから…
詩ゴミ男の告白 あるとき私の鼻の穴に一匹のハエが飛び込んだのですハエは一日ほど生きていて鼻の中を這いずり回っていましたがとうとう力尽きて胃袋のほうへ落ちていきましたそのときから私の心にハエの魂が宿るようになりました 私の嗅覚はいままで親しんでいた花の香りを嫌うようになりました家の中の花や芳香剤をすべて捨ててしまったのです花の匂いを嗅ぐと蕁麻疹が出るようになったからですそのかわり私の出した排泄物の臭…
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