詩、和歌、エッセイ、歌詞、小説などなど、言葉を紡ぐ人たちのグループです。 作品投稿・交流用スペース → http://space.hatena.ne.jp/~/14217943783081207203
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酔言 93 どうにもならず疲れたときや、抑えようにも抑えきれずむしゃくしゃしたときに、胸のうちの耐えがたきまま、その日の夕暮れを待つのではなく、そこいらの街角でもいい、紺の下地に白抜きの、文字鮮やかな湯のれんをくぐってみれば別世界、そぞろ歩きに寄り道の、ひとっ風呂を浴びて帰ればそこはまさに極楽寺なり。 幸いに我々日本人には銭湯というすばらしい風習があった。夏目漱石の「坊ちゃん」もそうした風呂好きの…
自販機で水を買う。ガチャンと落ちてきたペットボトルを取り出し口から掴み取って、瞬間、反射的に「細い」と思った。いつも飲んでいるペットボトルよりも、一回り細い。しまった、商品写真をちゃんと見ていなかった、500mlに見せかけた400mlのペットボトルだ。以前にも、同じような手口に引っかかった。最近の自販機では、商品一覧が並ぶショーケースに、ボトル本体じゃなく、ボトルの写真だけが並んでいることがある。…
カクヨムコンテスト11【短編】の小説部門に応募しました! 短編の小説には細かい部門はありませんが、ジャンルはラブコメです。 男主人公の一人称になります。 婚約者と上手くやっていくためのたった一つのメッソド kakuyomu.jp 生成AIは一切不使用。 4千文字以下の短編なので、頭をできるだけ空っぽにして読んでいただけると嬉しいです。 pixivのブックサンタ企画に投稿した『松ぼっくりの温度』と今…
紅葉もイチョウもすっかり葉が落ちました。赤い実が冬の訪れを告げています。 11月の『高尾山報』「法の水茎」です。東山道、園原地区の伝説について書いてみました。お読みいただけましたら幸いです。 ※ ※ 「法の水茎」161(2025月11月号) 立冬を迎えて、冬の訪れを告げる木枯らしが吹き始め、北国からは初冠雪の便りが届くようになりました。「秋の夜長」に満ちていた虫の音も遠ざかり、夕暮れが早まっていく…
2024年3月26日に下書いていた文章が出てきました。 せっかくなので、放流しておきます。 心から呪うものは、変えられないものです。自分の性格の悪さとか。 火曜日、N主任とA主任とSさんと、ランチを食べに行きました。 Sさんは私の後輩で、とても可愛い女の子。 N主任は、応援で来ているA主任と同じ部署の女性で、ボブカットの綺麗な人。意外なことにA主任がずっと喋っていて、N主任とは年も近いから仲良しな…
北國文華 2026年冬 第106号 読者投稿のページに小説を載せてもらえた。 これで掲載は3回目になる。ありがたいことです。 一番の読者は僕だと思う。何回も読む。 自分で書いたから展開も結末も全部知っている。 どういうことを考えながら書いたかを思い出しながら。 何回も読み直して応募したはずなのに、読み返す度ごとにやっぱりこの言い回しは変じゃないかとか、語尾の調子が一辺倒で読みづらいなとか、今さらに…
『パリア』という、オンライン無料ゲームで遊んでいます。 姪っ子が遊んでるというので試しにやってみたら面白くて。 あつ森みたいな感じでクラフトしたり住民と交流したりするんだけど、 他のプレイヤーがいるエリアと自分の区画に分かれていて 採掘したり狩りをしたり魚を釣ったりする。 ストーリーを進めないと手に入らないアイテムがあるので、 攻略サイトを参考にクエストに取り組む。 最初は、他のプレイヤーと同じフ…
詩遭難 まいったなまるでタヒチにいるようだこの真っ白な砂どもが焼けつくように熱いのは…けれど青い海はどこにある満開のパラソルたちもビキニ姿の女たちも強い熱風に飛ぼされてどこかへ消えちまった 嗚呼目の前の高い頂は毎晩見ていた夢の山だそいつが幻影という事象なら降り注ぐ雪どもは灼熱の砂塵であってもおかしくない そうだ俺は生まれたときから奴らに騙されてきたんだ大人になってからだって騙されてきたんだから…奴…
あたたかな おおきなその手で撫でて騒がしい胸に声掛けを酸素が薄い控えめな思考にシュガーのような口づけを瀕死のさかなは鱗もとれて泳ぎかたも忘れてしまったぼくのなかに海を感じて絆はしっかりと結びあの光のさす水面へ連れてってほしい冷たいカラダ全てが凍りつくまえに ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ぼくらはずっと手を繋いでいた忘れられないほど深く絡まり 繋がっていた何度でも逢うと約束をしてこうして何度目かの魂を響き合…
私の通っていた中学校に、とても優秀な男の子がいました。 名前は、芳雄くん。 彼はまさに「完璧な生徒」という言葉がぴったりでした。 成績は常に学年一位、授業中にはどんどん質問をして先生をうならせ、掃除の時間も一切手を抜かない。委員会活動にも真面目に参加し、皆から信頼されて学級委員長を任されていました。 そんな彼を嫌う人など、一人もいなかったと思います。 その日までは。 ある放課後のことでした。 私は…
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