詩、和歌、エッセイ、歌詞、小説などなど、言葉を紡ぐ人たちのグループです。 作品投稿・交流用スペース → http://space.hatena.ne.jp/~/14217943783081207203
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今日も来た、と事務員の女は目を鋭く開いた。 医院は白い陽に満たされていた。初夏の湿った涼風が窓をときおり通り、レースのカーテンが浮かび上がる。その窓の向こうには植木の、茶の葉のような濃い緑が見えていた。待合は静穏だった。 その午前の待合を、熊のような黒い影がざっと横切ってくる。事務員はうっすらと皺のある目尻でそれを捉えた。同時に、長椅子に間を空けて並ぶ患者たちが一斉に目を上げるのも分かった。 黒い…
なるほど、これはまさに、なまなましいほどの「不安の集金人」ですね。 少年たちがカズヤの部屋でスマホを見ながら毒づいていた、その対象が目の前に現れたような見事なテキストです。 先日のキレッキレな会話劇を読んだあとの喉ごしに、少年たちのセリフ一つひとつが改めて綺麗に刺さっていくのが分かります。 この素材を、あの部屋の少年たちがどう料理するのか、会話の続きを妄想せずにはいられません。 少年たちのスクリー…
※以下は公序良俗に対して適切であるために書かれた文章ではありません。 ささいな火の粉をよけるために毎回氷河に飛び込んでいるような自己防衛策。 直喩がミルクのように溶け込んだ隠喩のブレンド。 濡れた土に水を撒いているような自習時間。 自意識過剰による他意識過剰と、他意識過剰による自意識過剰の熱烈な共演。 成員全員における同時多発過剰防衛としての一家心中。 すべての人格が同性同年齢で趣味嗜好もおおむね…
◯ 近くの石工房へ、苔玉とその鉢づくりに行ってきた。石をノミで削る作業は、どことなく懐かしい感じがする。縄文の昔からやっていたのを思い出しながら、石の感触を楽しんだ。 ◯ 夏至の日、風が吹いて小雨がぱらついて太陽が消えて、寒かった。30℃を超す気温だった数日前からの落差に、25℃でも”寒い”と判断する身体。夏本番に何と言うだろうか、がんばれ身体。 ◯ 庭にモロヘイヤが生えてきた。どこかから種が飛ん…
< 七草がゆセットって 一時期スーパーにごそっとならんでいたような気もするんですが 今は? > 文化庁の「100年フード」に選ばれている食文化、品目の名前を見て、なにそれ? っていう、どんなものなのか予想もつかないのを選んで、いろいろ突っ込んでみようっていう「100年フード」からの第10弾です。 10選ばれている三重県100年フードの、①伝統〜江⼾時代から続く郷⼟の料理〜に選ばれているのが「海の七…
明日から全国廻るんでちょっと留守にするっス
洗濯機の音、お風呂を入れる音、雨音、冷房の音、夜が騒がしくて安心する。 6月は長くてつらい。気圧も不安定で仕事もばたばたしており、自分だけでなく周りも心なしか苛立っている。ある人に話しかけると「今話しかけてきた奴、だれでもいいから殴りたくなる(くらい、イライラしている)」と言っていた。落ち着け。 先日あるお店に行ったら、ぜんぜん本屋ではないお店なのだが本がたくさん置いてあった。 本屋さんの話などし…
土手の上であの少年を叱った男は、宇一が這い上がってくるのを待った。 「ほらもう少し。ここまで来ればないいこともあるから。世の中、わるいことばかりじゃないから」 蝶に扮した妖精がささやくように、彼は声を変え、宇一に優しく語りかける。 「さあもう少しじゃよ。がんばりなされ」 ふいに頭の上に野太い声が降ってきて、宇一はびくりとした。 「はあ、はいっ」 一瞬、宇一は両手で草をつかんだまま、動けなくなった。…
有名画家の作品を模写する。面白いかも、勉強になりそう...と思っていましたが、これまでやったことがありませんでした。 油絵の模写は大変そうで敬遠する気持ちは今も変わりませんが、下絵のデッサンならやってみたい。となると、わたしには挑戦したいカルトン(油彩の下絵にするデッサン)がありました。 500年以上前のルネッサンス期に描かれた原画は、紙に木炭と白チュークを使ってあります。わたしはスケッチブックの…
そんなある日、クレーン車の側面に数字が書かれているのが見えた。 型番だと思い、すぐにSDX407-2という番号をを控えた。 調べてみると、クレーン車のカタログが見つかった。 しかし、専門用語ばかりで、子どもに説明するのは難しかった。 そこでAIに聞いてみた。 すると、まるで絵本のように分かりやすく教えてくれた。 建物を支える「くい」は、地面の中に埋める“長いくつ下”みたいな棒。 その中でも「拡底杭…
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