明治以降の日本文学に興味を持つ人のためのグループ
はてなブログを持っていれば、誰でも参加できます。
前回の記事からの続きである。 メタファーというのは電子メールのようなものかもしれない。ある世界から別世界への言伝。ある世界に存在する事物なり人なりから一方的に送られてくるメッセージがメタファーであり、それにはスマートフォンのような受信機が必要となる。受信した事物を見て、人はそこにはじめてメタファーを発見する。 メールの譬えを用いると伝わりにくくなるポイントとしては、受信物は動き出す、ということであ…
五木寛之さんの小説『青春の門 放浪篇 上』からの続き。丸玉食堂の主の丸谷玉吉の援助で、芝居をするための倉庫を確保できた伊吹信介と緒方ら劇団白夜。働いて資金を稼ぎ、切符の販売もどうにか進み、芝居の日が近づいてきます。玉吉の娘のトミちゃんも劇団に加わり、後日、閉店が決まっている丸玉食堂が、彼らの胃袋を満たすとともに資金稼ぎにも一役買ってくれました。
あらすじ 1861年の農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、動揺と混乱を深める過渡期ロシア。青年たちは、無政府主義や無神論に走り秘密結社を組織してロシア社会の転覆を企てる。――聖書に、悪霊に憑かれた豚の群れが湖に飛び込んで溺死するという記述があるが、本書は、無神論的革命思想を悪霊に見たて、それに憑かれた人々とその破滅を、実在の事件をもとに描いた歴史的大長編である。 感想 率直な感想は、面白か…
▶午前5時起床。 熱くて苦い珈琲をちびちび飲みながら、ぼんやりした頭でぼんやりする。 最初の“ぼんやり”は形容詞で後の“ぼんやり”は動詞である。 頭の霧が少し晴れたところで読書。 書名は記さないが、100頁ほど読んだところで挫折。 そこそこ評判の本なのだが、まったくノレなかった。 もう少し我慢すれば面白くなるのかも知れないが、老人はこらえ性がないのだ。 むりやり鯛焼きに例えるけど、頭から食べ始めて…
『文藝春秋 2025年11月号』を読み始めた。元々寝つきが良くないこともあり「50代からの快眠術」を真っ先に目を通す。午後6時以降のコーヒーや、就寝前のスマートフォン使用、就寝前の水分補給、などを控えるのは気をつけているが思ったような改善がなくどうしたものかと思っていたからだ。就寝前の簡単な体操が紹介されており、これは試す価値がありそうだ。続けられたらこっちのもの!マットレスに投資するのも悪くない…
2025年10月 今月は2つの本の組版に、そこに載せる文章の執筆と、自分比でなかなかに忙しい月だった。あまり本を読めないでいて気がつくと、もう月も半分を過ぎていて驚いた。 時間の進みがどんどん早くなる。いつの間にか首相も替わっているし、31歳になって世の中の流れについていけなくなる。そしてこれはあまり良くないと自覚しつつも、米国の大統領の隣に立ってはしゃぐこの国初の女性首相の姿を見て、時代とやらに…
日本民俗学の創始者とされる柳田國男に「聟入考」(昭和4年)という論文があります。戦後、他の論文と共に『婚姻の話』(昭和23年)という表題で刊行されています。 私娼の「古くからの地方的稱呼」についての一例として、東北地方のクサモチ、越後の一地方のヨムギモチ、鳥取県のダンゴに続いて、以下のような記述があります。 「三重縣の北部四日市富田のあたりには、元は私娼をケーマンジといふ語があつた。即ち貝饅頭の訛…
「ちい子、明日はおじさん家の仕事に行くの。朝が早いので、もう寝てね」 お母さんは少しイライラしています。 ちい子は布団に入りました。ミーコもいっしょです。 居間にいるお母さんを呼びました。「ねえ、お母さん、絵本を読んで」 「さっき、言ったでしょう。朝が早いんだから、寝なさい」 お母さんは枕もとの明かりをつけ、入口の電気を消して足早に出ていきました。 「どうしたのかな。ちい子 何かいけないことをした…
ブログを移転しました。新ブログはこちらです。 今後もご愛顧のほど宜しくお願い致します。 本の扉を開く | おすすめ本と書評・感想ブログ book.windcastor.com
次のページ