1つの日記だけで終わる短編小説を書く人たちの集まりです。
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寂しくて死んでしまうのは人間くらい 定年を超えてもまた働き始めてしまうのは誰かのためにならないと存在意義を見いだせないからだ 生きているだけで価値がある、と思えたらおじいちゃんたちは朝早くから横断歩道の前に立っていない ぼくが写真を撮るのは、楽しいからだ カメラが好きだからだ 写真を撮るためなら都心に出るのも苦じゃないし、毎日カメラを持ち出すのも平気 いつも一緒、ほんとにカメラが大好きだ でも、撮…
病院日記 49 今、理由などなくとも好きでも嫌いでなくとも、たまたまこうしてたまゆらに向き合う現実の、この瞬間と対峙することでしか私の逃げ道はないのではないか。逃げ道? しかしいったい何処へ?そして何から逃げるというのだろう? そこはあくまでも巷へ、社会の歯車の一つに埋没し、日常という単調反復の地下茎へ。具体的な事実のうちから普遍的なものへの強靭な運動を。そして賃金労働者の只中へ。非正規労働者の苦…
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 住人が増えてからも、私の毎日は大して変わらないだろうと思ってた。あんたと父さんは驚くほど家族として馴染んだじゃない?疑問を持つのもバカらしくなるくらいにね。私はそれを見て安心してたの。さっきも言ったとおり。でも少し不思議な気分にもなった…。まるで私だけが輪から外れたみたいに。今はあの時の気持ちがなんだったのかわかる。あれは疎外…
怪談 ~残り香~ 大学生の和司は自宅から歩いてすぐにあるコンビニでバイトをしている。今は大学が夏休み中のため、時給の高い夜間のシフトに入っていた。その日もバイトに向かうため、21時過ぎにマンション12階にある自宅を出た。夜だというのにひどい暑さで、熱せられたじっとりとした空気が体にまとわりつく。エレベーターに乗り込み一階のボタンを押す。エレベーターは軽い振動と共に下に向かって動き出したが、すぐに停…
タテエディタというアプリを試している。PC版を使った時は非常に良かった。 きっかけはMicrosoftのOffice Wordの仕様だ。iPadのバッテリーが完全にいかれ、しかもアップルのアップデートが受けられなくなったから、iPad自体を買い替えた。したらば、 Wordが使えなくなってしまった。使うには、Officeのサブスクに入れ、という。 このサブスクがべらぼうに高い。たぶん、Officeと…
「わかりみが深いわね」 辛子が頷きながらそう言うと、甘彦は小さく首をひねりながら、 「でもおかしみはないよね」と言った。 それはけっして楽しい話題ではなかったが、そんな中にも常におかしみを求めるのが甘彦だった。昼飯時のファミレスは混雑していて、なかなか注文の品は届かない。「でもおかしみが入ると、わかりみが減るじゃない」 辛子はおかしみとわかりみは、相反する要素だと思っている。 「いやおかしみが入っ…
面白くないと感じてしまう小説の特徴 私は不定期ですが、他人の作品を時々読むことがあります。これは小説作品を自分が興味を持って読むのとは別に、『小説の書き方』の著者として、常に文章について研究する為です。 かつて私もデビュー前は、色んな方の指南書を読んできた訳ですが、これらの著者について時々感じていたのが、『言っている事はわかるが実践できない』でした。この様に感じる多くの原因は、その著者が普段何気な…
目が覚めたのは、妻が夕方のバイトに出掛けたときだった。玄関がガタン!と小さく音を立てて閉まったのを、寝ぼけまなこに聴いた。いったい何時間寝ていたのだろう?皆目検討がつかない。隣では、娘が数十年の長い冷凍冬眠状態に入った人類代表、みたいな表情でまだぐっすり、とても気持ち良さそうに寝ている。昼寝する前にSF小説(発狂した宇宙)を読んだせいで、空想と夢と寝ぼけまなこの現実とが一緒くたに混ざり合ってしまっ…
Blue あなたとわたしの本 265 (「パーフェクト デイズ」感想) タカシが急に仕事を辞めた翌日、サトウと名乗る女性清掃員が来るのですが、これが堂々としていて、実にかっこいいんですよね。職種うんぬんではないのです。自分が自分の仕事をどう思っているかどうか。そして大切なのは、自己イメージなんだと思う。きっとサトウは、見事な清掃作業をするのでしょう。自らのサービスに自信を持っているのでしょう。そう…
横倒れした樹木から、垂直に木枝が伸び 陽の光を求めて葉緑をはやす そういう場面を目の当たりにすると 命は無限の可能性をはらんでいると感じる
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