海外文学が好きなひとのためのグループです。イメージは生田耕作が設立した出版社、奢覇都館の謳い文句、「低俗と量産の時代に、敢て問う誇り高き少数者の声」。
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老師ヴァージルを尚び、桃李の教えを説くも 第248投。123ページ、1067行目。 VIRGILIAN, SAYS PEDAGOGUE. SOPHOMORE PLUMPS FOR OLD MAN MOSES. —Call it, wait, the professor said, opening his long lips wide to reflect. Call it, let me see.…
僕は今ジョン・アーヴィングの『ガープの世界』を読んでいる。新潮文庫の上巻でP114まできた。ここまで読んで考えたことを記事にまとめようと思う。 考えさせられたのはアイロニーについてだ。この小説には全編にわたってアイロニーの力が満ちている。皮肉な運命観が作品全体をつらぬいていると言っていい。 『ガープの世界』を読んで僕が連想したのは戯曲の『オイディプス王』だ。『オイディプス王』はアイロニーの何たるか…
今の新聞の連載は、柚月麻子の「あおぞら」 昭和の時代、若くて孤独な工場勤務のシングルマザーが、産後ボロボロなカラダで働いていたところから、商店街の人たちを巻き込んで保育園を実現させた話だけど、保育園が出来たあとの話もいい感じだ。水爆実験で商売ができなくなった魚屋さんを支えたり、今度はスーパー保母さんの給料安すぎ問題を解決しようとしたり、頭でっかちのインテリお嬢さんが悩んだり。署名をし講演をし寄付を…
今年読んで印象的だった本について。おすすめ本とかベストブックの選出みたいなのがいつも難しくて、今回はざっくりふりかえるので個人的な好みの開陳、本好きの雑談みたいな感じで流し見ていただければと思います。 ハン・ガン イーユン・リー リュドミラ・ウリツカヤ アントニオ・タブッキ 川上未映子 女性作家のリアリズム寄りホラーが好き 翻訳家エッセイ 斎藤真理子、奈倉有里、茨木のり子 おわりに ハン・ガン 年…
「この中にいる、犯人は!」 叫び声を上げた、商店街のど真ん中で、ひとりの探偵が。襟を立てていた、彼は、トレンチコートの。名探偵と呼ばれていた、もちろん自称ではあったが、そのつけ髭の男は。「名にかけて、じっちゃんの!」 決め台詞だった、それが置田倒次郎の、名探偵と自ら呼ぶ男の。 しかし漁師だった、彼の祖父は、探偵でもなんでもなく。ふぐの毒を喰らって死んだ、そのじっちゃんは、てめぇで釣ったふぐの、丸々…
Blue あなたとわたしの本 274 カフェ・マジックアワー (後編・完結) 智(とも) やがて青年は最上階に着いたようだった。階段がとぎれていた。上へと向かう手段はもうどこにもない。がらんどうの、船の甲板(かんぱん)を連想させる、赤みがかったデッキに立っていた。建物の白い壁面が右手につづいている。窓のひとつもない。だが、のっぺりとしたその壁に、みどり色に塗られた扉が嵌めこまれている。このドアから…
千葉の郊外から東京の学校に通っていた日々、満員電車の路線図を眺めながらよく想像していたことがある。 まるでその中心に通い詰める路線の数々は、体内に張り巡らされた動脈のようだと。 血液として酸素と栄養素を搾り取られ、疲れ果てた我々は、やがて静脈に流されて帰路に着く。東京に集中された路線図は、その血液を集中された巨大な脳みそそのものなのだと。 あるいはそこで知識や経験や給料を得て、それぞれの地に栄養と…
民衆への愛 ガルシア=マルケス『百年の孤独』 渡部 唯生 本作は一九八二年にノーベル文学賞を受賞した著者の代表作であり、二十世紀文学の最高峰の一つに数えられることも少なくない。ラテンアメリカ文学の世界的なブームの中核となった作品であり、その評判の高さは今更繰り返すまでもない。本作は一九六五年に発行され、間もなく各国に翻訳されて世界的なベストセラーになった。日本の多くの作家もこの作品、そして『族長の…
index 2025年に読んで良かった本(AI時代に人間を考えるための)1/5 『デカルトの誤り』 『脳の本質: いかにしてヒトは知性を獲得するか』(2025年に読んで良かった本 2/5) 『ハチは心をもっている: 1匹が秘める驚異の知性、そして意識』(2025年に読んで良かった本 3/5) 『オートポイエーシス: 生命システムとはなにか』(2025年に読んで良かった本 4/5) 『ウィトゲンシュ…
▶5時起床。 寒い。 ふとんから出るのが辛い季節がやってきた。 いつものように熱くて苦い珈琲を淹れ、いつものように小一時間ぼんやりと過ごす。 毎朝30分ぼんやりしているとして、1年は365日なので、掛ける365は10950分、時間にすると182.5時間、日数になおすと7.6日である。 凄いな。 ワタシは、1年間に1週間(正味の1週間)、ただボーッとしているのである…。 ボーッとしつつ、ホッド・オブ…
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