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※当然のことながらネタバレを含むので、未読の場合は閲覧に注意されたい。 明日、私は誰かのカノジョ(1) (サイコミ×裏少年サンデーコミックス) 作者:をのひなお 小学館 Amazon Kindleストアをずらーっと眺めていたときに見つけた作品。 ざっくりとしたあらすじとしては… 顔の半面に火傷の跡を持つ女性「雪」が主人公。 雪は自らの顔に残る火傷跡を化粧で隠し、時間ごとに料金を受け取って「カノジョ…
中古車を購入した。 16年間、車のない生活だったけど、気晴らしに乗りたくて再び持つことにした。 車を買ったのは1994年以来。前のは新車で買って15年乗った。 その車は今ではプレミアがついて高価になっている(当時の新車価格ぐらい)。バブル時代を感じさせる車だった。 その前に乗ってたのは、1980年代終わりに発売された女子人気ナンバー1デートカーと言われた車だった(笑)。 デートしてくれる人はいない…
あの日の翌朝、 温かなものに包まれる感触で目が覚めたことは、今でもはっきりと覚えている。 私が起き出すと、あの子もまた同時に起きて来た。 きっと、私と同じようにして、目が覚めたのだろう。 「お父さんは、元に戻ったんだね。」 おはようの挨拶よりも先に聞こえたのは、こんなあの子の声だった。 あの日の夕方には、あの子も家へと帰り、 また私たちは、それぞれの日常生活へと戻った。 あれから、梅雨にしては、や…
「ちい子、明日はおじさん家の仕事に行くの。朝が早いので、もう寝てね」 お母さんは少しイライラしています。 ちい子は布団に入りました。ミーコもいっしょです。 居間にいるお母さんを呼びました。「ねえ、お母さん、絵本を読んで」 「さっき、言ったでしょう。朝が早いんだから、寝なさい」 お母さんは枕もとの明かりをつけ、入口の電気を消して足早に出ていきました。 「どうしたのかな。ちい子 何かいけないことをした…
親友との約束を胸に、青年はただ走る。友情と信頼の力が、絶望的な状況を突き破る奇跡を描いた太宰治の傑作『走れメロス』。純粋な羊飼いの青年メロスが、暴君ディオニス王に立ち向かい、親友セリヌンティウスとの約束を守るために走り続ける姿が描かれています。物語は人間の弱さや葛藤と、信じる心の尊さを鮮やかに対比させながら展開されます。 本記事では、『走れメロス』の普遍的なテーマを解説するだけでなく、この作品を選…
昨年から今年にかけて、山尾悠子作品を手に取る機会がたびたびあった。 それぞれに出会った時期と当時の自分の状態も含め、とてもよい読書体験になった。 歪み真珠 (ちくま文庫) 作者:山尾悠子 筑摩書房 Amazon 長編『ラピスラズリ』を読んでいた際、本文で「引きゴムが緩んでだらりと垂れてしまった手足の関節の揺れ動く手ごたえ」とか、「ゴム引きの関節を不細工にがたつかせた……」とか、人形についてそのよう…
〈第一話 静雨譚〉 雨は、降り続いていた。 それは濡れない雨。 雲の縫い目から零れ落ちるような細い粒子は、掌に受けても水滴にはならず、ただ微かに肌をくすぐって消えていく。 この雨が降り始めてから、季節は変わらなくなった。冬は遠のき、夏も来ない。街は、同じ温度と光の中で緩やかに時間を繰り返している。 世界の人口は半分になった。 消えたのか、去ったのか、それともどこかへ移されたのか──誰も知らない。た…
第一章 「水無瀬晶の弟」 俺の姉について話しておきたい。 水無瀬晶は厭なやつだ。無神経で傍若無人でニコリとも笑わない。性悪な女だ。 姉といっても、血は繋がっちゃいないんだけど。ただうちの母親とあいつの父親が結婚しただけ。よくある話だ。晶と俺とは血が繋がっていない。ーーーそれを俺は喜ぶべきなのかもしれない。あんなに生きづらそうにしてる義姉を見ていると余計に。厄介な性質を、もしも俺も受け継いでいたらと…
Blue あなたとわたしの本 272 謎のメモ、美しいメタファー 平山は清掃用具までを自作し、公衆トイレを徹底的に磨き上げます。見えない部分は鏡を使って点検するほどの徹底ぶりです。公共トイレの清掃員がこんな方だったら、理想的ではないでしょうか。 映画には、何者かはわからない人物とのメモのやり取りの場面が挟みこまれています。その人物は、まるで平山の仕事ぶりを 逐一 見ているかのようです。 これら一連…
みなさんこんにちは 散り始めた桜が葉桜に変わる そんな早すぎる季節の移ろいが どこか心悲しい今日このごろ 皆さま如何お過ごしでしょうか 通勤途中に さて ひとり息子のKと行く北海道卒業旅行 前回は釧網線(せんもうせん)で釧路湿原を臨み、摩周駅に到着するところまで書きましたね さあ 旅もいよいよ最終盤 目指すは霧の摩周湖です 🎬🎬🎬 前回までの記事はこちら ↓↓↓↓ www.xn--btr663e.…
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