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カフカの『変身』を再読した。 急きょ、姫路に住む次女一家のもとを訪れることになり、旅のお供にあまり厚くない本を持っていこうと本棚から選んだのがこの本だった。 東京の頃と比べ、娘一家の姫路の借り上げ社宅はずいぶん手狭で、「お母さん一人なら大丈夫かも」と言うのを遠慮して近くのホテルに一泊することにした。 ベッドに横たわると、本を持ってきていたことを思い出した。 グレゴール・ザムザはある朝、なにやら胸騒…
只今、日本近代文学館では「夏目漱石『こころ』とその時代」展開催中です。 本展は、作中の印象的な一節の背景を示す資料や、「こころ」が長く読みつがれた歴史を紹介する展覧会。 「こころ」冒頭の鎌倉由比ヶ浜での海水浴、若かりし先生が友人Kと下宿した軍人未亡人家庭、当時の街並みetc。数々の資料から時代の雰囲気を伝えていきます。 また、同時代評や後世の映画化作品・戯曲、国語教科書などから作品が与えた影響の大…
妻とつくる 智(とも) 僕の妻はバンドを組んで歌っている。オリジナルをやる。曲はギターの男性が担当し、歌詞は妻と僕とでつくる。曲が先にでき、妻がそれを聴いたイメージを僕につたえ、僕が言葉にする。妻は、「あなたはわたしのアイディアを詞にしているだけだ」などと言ったりもするので、「アイディアなんてものはそれだけあっても作品にはならないんだよぉ」と僕も言い返す。僕の本職はフリーのライターで、雑文全般を引…
病名のわからない病気に悩まされている人が、名医と出会って病名が判明した時の喜びは相当なものだろう。 自分にはそういう経験がないが、デヴィッド・グレーバーの「ブルシット・ジョブ」を読んだあと、そんな気持ちになった。もう退職したが、長く仕事に抱いていた違和感の原因が、 ブルシット・ジョブ感だったと気づく。 グレーバーによれば、ブルシット・ジョブとは、働いている「本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど…
本日はカルチャータウン高陽校さんにて源氏物語講座を行いました。今日読んだのは蓬生巻。参加者は13名でした。 次回のご案内↓ テーマ:蓬生巻を読む日時:2026年8月3日(月)10時半~12時 場所:カルチャータウン高陽校 (広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)受講料:1650円/回(税込) ※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。持参物:筆記用具 よろしくお…
(はじめに、「5~6話」を少し振り返ります。) ある日の夕方、仕事から帰ってきたお母さんは、台所で夕食の片付けが終わってから、居間でお父さんに電話をしました。お母さんは、お父さんを何か怒っているようです。 布団に入り、耳を澄まし電話の話を聞いていたちい子は、悲しくなりました。「そうだ、家出しよう」と決めました。次の日、ちい子は風呂敷に荷物をつめて、そっと家を出ていきました。」 < 第7話へつづく …
どうもいけない。左の肩、腕、手の指のしびれと傷みなどはもう慣れているのだが、ここにきて手術した首のあたりが鈍く痛い。我慢するしかないのだが、鳥見に出られない。結局本ばかり読んでいる。 どうもいけない、その2。「嵐が丘」の再挑戦があっけなく沈んだ。半分まで頑張って読んだのだが、面白くない。登場人物は、みんな、変。発言も行動もそのほとんどが理解できない。あと少しの辛抱で読み終えるのだが、そんな辛抱が馬…
詩の末尾に 桂冠詩人 エベニーザと書いた二行連句の詩篇は、船を追う海豚の群れを眺め、ミルトンを参考にしながらメリーランドのおもかげを描く:- おお トロイを撃ち破り、帰路につきしユリシーズよ: - 纏(まと)う衣は破れしも 西へと白波立つ海を 十年の歳月を彷徨いて 竟(つい)に辿り着くはイサカ あまたの苦難を乗り越え 岸辺も 岩も 磯も 今に魅せられ 天国かと ・・ おお この国の美しさ!.. 砂…
お知らせです。 5月22日に翻訳を担当した『オルターエゴ』(アナ・C・サンチェス、KADOKAWA)が発売されました。 www.kadokawa.co.jp ずっと親友のエレナに片想いしていたノエル。 ところがエレナに彼氏ができてしまい、ノエルの恋は撃沈。 絶望したノエルは、知らない女の子に恋の悩みを打ち明けるのだが、その子はエレナの「もうひとりの親友」のジューンだということが判明する。 死者の霊…
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