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〈第一話 静雨譚〉 雨は、降り続いていた。 それは濡れない雨。 雲の縫い目から零れ落ちるような細い粒子は、掌に受けても水滴にはならず、ただ微かに肌をくすぐって消えていく。 この雨が降り始めてから、季節は変わらなくなった。冬は遠のき、夏も来ない。街は、同じ温度と光の中で緩やかに時間を繰り返している。 世界の人口は半分になった。 消えたのか、去ったのか、それともどこかへ移されたのか──誰も知らない。た…
第一章 「水無瀬晶の弟」 俺の姉について話しておきたい。 水無瀬晶は厭なやつだ。無神経で傍若無人でニコリとも笑わない。性悪な女だ。 姉といっても、血は繋がっちゃいないんだけど。ただうちの父親とあいつの母親が結婚しただけ。よくある話だ。晶と俺とは血が繋がっていない。ーーーそれを俺は喜ぶべきなのかもしれない。あんなに生きづらそうにしてる義姉を見ていると余計に。厄介な性質を、もしも俺も受け継いでいたらと…
序章 国道沿いのドライブインが廃墟となって、 もう十年は経つだろうか。 山の斜面にぽつんと残された看板には、 いまだにかすれた文字で 「営業中」と書かれている。 それはまるで、この場所に取り残された時間を物 語っているようで、 なんとも言えぬシュールさを帯びていた。 誰一人として、 ここに足を止める者などいない。 時折深夜に大型トラックが停まるだけだ。 ここは国道沿いの、 誰も寄りつかなくなった集…
「ふにゃ…」 夜闇がまるで幾多の光を包むかのような深夜のこと。 湿ったその声が、ぼそっと落ちる。 「また始まった…」 そう思う束の間 「ふえぇ……えん……!」 今や、か細く膨らんでいき綺麗な音色を奏でているような。 「やっぱり…私だけじゃ無理なのかな…ゆうと…」 そう、胸を締め付けられるような気持ちになった。 閑静な住宅街に佇む築数十年前の木造アパートに私と、 出産して間も無い娘のゆきと住んでいる…
澄んだ雲を見ていた。 昨日見た星空の光と重ね合わせるように。 遠い後悔という名の霧に隠れた、君と過ごした思い出が今も脳裏にこびりついて離れない。 「一体何処で間違えたのだろうか。」 ある片田舎の駅から離れた小さなワンルームで男は呟いた。 彼がその廃れた借家を住処として選んだのは、ただ単に家賃が安価であるという理由のみであった。彼は元々東京のある小さな映像制作の会社に勤め、糸を紡ぐように細々と日々を…
第1章|招かれざる訪問者 「山奥って聞いてたけど……ここまでとは」 ぬかるんだ地面に足を取られて、靴の底が湿った。 くねくねとした山道を越えた先にあったのは、霧に包まれた、古びたロッヂ。 ……静かすぎる。鳥の声もしない。 (無言で空を見上げる) 美琴。無口だけど、一番信頼できる親友。 この課外学習も、彼女がいたから参加した。 でも、ロッヂの入り口…… 開いてる。 「先生、先に来てるはずじゃなかった…
プレゼン後の報告。そして、鑑定の結果。 【ヒミツの時間】 KISSの法則 第49話 ジャッジの行方 KISSの法則・勝てない戦いには挑まない KISSの法則・婚約報告の前座? KISSの法則・プレゼンテーション KISSの法則・質疑応答 KISSの法則・Keep It Simple and Short KISSの法則・祝福の嵐 KISSの法則・鑑定の行方 KISSの法則・入籍と挙式と、一緒に暮らす…
気がつけば......ビルの屋上で浮遊していた (ハハハ...なんだこれは......) ビルの屋上から見る景色は 僕の感情とは別で ただ......キレイで澄んだ空が ...... 澄んだ空が......澄んだ... 頭の中に過る この光景は......僕は この屋上に立って この景色を......見ていた......流れるように 頭の中に 何故...... 屋上から......下を覗く 僕が血…
遼真達は休憩を入れて、心を強くして再度霊査に入る。2021年8月20日夜、粕夫が鴬子へ「明日、ドライブにでも行くかい?」「ドライブ?どこに行くの?」「宇都宮市の北側で船生街道沿いの下小池町にある雷電山まで行こうかなと思ってる」「雷電山?ふーん、何かあるの?」「あまり人も来ないし山頂からは景色も綺麗らしいらしいよ。 最近、仕事が立て込んで忙しかったから骨休みだな」「へぇいいよ。何か良い事あったの? …
ミュージシャンになる、という夢を抱いて都会へ出てから10年。夢に見切りをつけて故郷へ帰って来た。懐かしい我が家には埃が積もり、年月の流れを感じたのだった。掃除をして、様々な思い出の品を見つけ、この家から再スタートを切る決心をする。そして都会暮らしをしていた自分を思い出すと、奇妙な事実に行きつくのだった。 1 故郷の駅へ近づくと、田園風景が広がっている。 ローカル線の、ガタンゴトンというリズムが身体…
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