海外文学が好きなひとのためのグループです。イメージは生田耕作が設立した出版社、奢覇都館の謳い文句、「低俗と量産の時代に、敢て問う誇り高き少数者の声」。
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母を持たないという傷は、ときに友情をも凌ぐ深さで人と人を結びつける。だがその結びつきは、時間や距離、そして避けがたい出来事によって何度も断ち切られそうになりながら、そのたびに選び直されることでようやく持続していく。 2026年2月に刊行されたタヤリ・ジョーンズの長編小説『Kin』は、1950年代のアメリカ南部、小さな町ホニーサックルを舞台に、母を持たないという共通の喪失を抱えて育った幼馴染ヴァーニ…
今回の「Blue あなたとわたしの本」では、拙著「カフェ・マジックアワー」の書評をシェアしたいと思います。詩人であり、小説も書かれる 佐間 啓介氏 のレビューです。初出は文芸誌「Faith」。 僕は書評・「帰還せよ」を拝読し、いたく感激したのです。それで佐間氏に連絡をとり、「はてなブログ」への転載を打診したところ、ご快諾いただいたというのが経緯です。 ただ、佐間氏のレビューをこれから読まれるあなた…
幸田文の「台所のおと」はめちゃくちゃ好きな短編だ。昔、10年も片想いした人がやっと恋人になった時、憧れだった「読み聞かせ」をわたしの誕生日祝いにしてほしいと頼んで、ひざまくらで読んでもらったのが大好きなこの話だった。その人とは結局うまくいかなくなったけど、まだ恋に浮かれることのできたその頃のわたしの、愚かながら甘酸っぱい記憶である。今読んでもやっぱり好きな話だし。 「木」は短編集というか随筆集か、…
穴戸道彦(あなど みちひこ、1970年10月10日-)は、島根県松江市宍道市出身の穴あけ師、墓堀人、ベルトパンチャー、落とし穴クリエイター。有限会社ピットフォール・エンターテインメント代表取締役社長。・愛称は、「掘りえもん」「ホリンドル道彦」「穴奉行」「死の番人」。・弟は俳優の穴戸洞(あなど どう)。彼が出演する映画、ドラマの穴という穴はすべて道彦があけていると言われているが、その真偽のほどは不明…
本稿では映画エヴァンゲリオン新劇場版のストーリーを読み解く。この記事はすでに四部作をすべて観た人を対象にしている。 巨大ロボットに乗り込むこと エヴァンゲリオンのストーリーを把握するうえでもっとも重要な点は、巨大ロボットに乗り込むことは父性と母性の両方を象徴する行為だ、ということだ。鬼の面相をしたエヴァンゲリオンは兵器であり、戦うために作られた強力な武器である。そういう意味ではエヴァは父性の象徴だ…
つい最近まで入試休みで学校が無かったけれど、それでもいろんな課外活動に終われ、そこそこ忙しい日々を送っていました。その合間を縫って最近の夜は毎日のようにアマプラでドラマを観ています。その作品とは、 ドラマ『HANNIBAL /ハンニバル』 マジで面白い。 シーズン2の途中まで観ました。ウィルとハンニバルの高度な駆け引き、二人の周りを取り巻く人間模様と相次いで起こる華麗なる猟奇殺人。この作品を構成す…
犬好きの人にとっては常識かもしれないが(いや、俺だって犬を飼う犬好きなのだけど)、犬が排泄をした後に後ろ脚で砂をかけるのは「臭いを拡散する」ためなのだと職場の人に聞いて、へぇ〜と思った。自らの縄張りをアピールする目的があるらしい。 もちろん犬と人間とを同一視するわけではないにせよ、明らかに人間にとって「水に流す」=終いにする行為に近いことを、ある種の始まりの行為として為している、それが面白い。いや…
2月はあんまり本が読めなかった。自分や子どもが体調を崩していたり(お腹にくる症状でてんやわんや)大阪でも雪が降るくらい寒くなったかと思ったら急にあたたかくなったり、選挙もあったし世界情勢も不穏で夜遅くまでついニュースやネットを追ってしまい、不安になったりする日々だった。(そしてこれを書いている3月も、よりいっそう状況が暗くなるばかりで…) 日々の過ごし方としては腰を落ち着けて本を読むというより、夜…
あらすじ (『転職活動が始まる』の概要) 高校をわずか四ヶ月で中退し、十六歳で元ヤクザの親方の経営する解体屋に就職した中卒の餓鬼は、その約二十年後、どうしたわけか医療翻訳家となる。それから十年近くかけてコツコツと語学修行を継続してきたが、その同じ期間、悪のエンジニア集団は虎視眈々こしたんたんとAI開発を進め、中卒野郎の穢きたねえ脳みその学習速度の百倍くらいのスピードでAI翻訳を学習させていた。そう…
1. 存在しないがゆえに実在する「バーチャル・システム」 ガラス玉演戯、およびそれを守護する教団「カスタリーエン」は、物理的な実体としては存在しません。しかし、アルベルツス2世が述べるように、「存在しないものを、あたかも存在するものとして扱う」ことで、それは強固な現実となり、世界に影響を及ぼし始めます 。これは単なる空想ではなく、神や潜在意識に近い、精神の深奥に根ざした「バーチャル・システム」なの…
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