トピック一覧

読書・マンガ

見張り塔からずっとー重松清

評価4 再読。 ①カラス ②扉を開けて ③陽だまりの猫 夫婦関係について書かれた3作品。 穏やかな重松清の作風からは離れた恐怖小説仕立て。 「カラス」は地価高騰の時期に家を購入した団地の住民が、安く家を購入して移り住んで来た一家に対する妬みからイジメを繰り返して団地を追い出してしまう話。「扉を開けて」は幼い子どもを亡くした妻が同い年の少年を見るたびに亡き子どもを思い出して精神のバランスを欠いてしまう話。「陽だまりの猫」は若くして子を身籠もってしまった女性が相手の男性と結婚したが、マザコン夫との間…

【うさぎの本棚】探偵は帰れない、私たちは戻れない  帰れない探偵 柴崎友香

生きることは感動すること 人は感動がなくても生きていけるが、感動のない人生はつまらない。 人は皆感動を求めている。「おいしい」でも「たのしい」でも「うつくしい」でもなんでもいい。心を揺り動かし、時には涙や笑いを誘うものと出会いたがっている。 中には「こわい」もの見たさに心霊スポットに出かけたり、「いたい」の奥にある「ここちよい」を求めてマッサージに行く人もいる。SNSには「いかり」や「うらやみ」が満ちている。 生きることは、感動することと言えるかもしれない。何を見ても聞いても感動しなければ、それ…

井上真偽 「その可能性はすでに考えた」 読了(Hatena用再掲)

こんばんは、ジニーです。 この本は2023年の9月に読んだ本だったようです。 読書の秋に、なかなかマニアックな本を読んでいた自分を褒めてあげたくなりmす。 今回は井上真偽さんの「その可能性はすでに考えた」の読書感想です。 タイトルから何となく伝わるものがありますが、ちょっと変わったミステリーです。 普通、ミステリーといえば事件が起こり、その謎を解くというのが流れです。 その事件の犯人がいて、探偵役の主人公(時に主人公ではない場合もある)がトリックを看破していくというところに面白さがありますよね。…

〔読書・本📕〕家族の絆を感じる短編小説

あなたはここにいなくとも 年末年始、たくさんの本を読もうと思い、図書館でたくさん本を借りてきました。 まずは、町田そのこさんの短編小説から…… 最初の作品は、切っても切れない家族の話👪 私は亡くなったおばあちゃんを思い出して号泣しました~。 40代ですが、それでも💦 おばあちゃんに会いたい病に年に数回かかります~。 こんなとき、おばあちゃんだったら……、どうするのだろう❓ 家族なのだからと注意するのだろうか、 場をわきまえて、ぐっと我慢するのだろうか、 困ったこと、辛いことがあるたび、おばあちゃ…

水族館飼育員のただならぬ裏側案内 (なんかの菌)

いつも聴いている茂木健一郎さんのpodcast番組に著者のなんかの菌さんがゲスト出演した際に紹介していた本です。 四コママンガをはじめとしたイラストをふんだんに使ったとても変わった体裁で、興味深い“水族館の裏側”をこれでもかとアピールしていきます。なんかの菌さんのマニアックな視点がとても楽しいエッセイですね。 「水族館」といえば、幼いころ海水浴に行くたびに海水浴場そばの水族館には寄っていましたし、小学生のころ、初めて江ノ島水族館(当時)で「イルカショー」をみて感激した思い出もあります。大人になっ…

2025年に読んで面白かった本ランキング

今年も残り少なくなったので「今年読んだ本ベスト3」を残しておきます! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1位 キム・ハナ/ファン・ソヌ「女ふたり、暮らしています。」 ドラマ化もされた話題作「保健室のアン・ウニョン先生」や、BTSが絶賛した「家にいるのに家に帰りたい」をちらっとを読んで「韓国文学は私には合わないかも、、、」と思っていたのですが、このエッセイでK-BOOKに対する苦手意識が完全になくなりました! それどころか完全に二人の大ファンになったと言っても過言ではない! エッセイは…

【読書日記】パーティーが終わって、中年が始まるを読んで若さのあとにるものを考えた

この本『パーティーが終わって、中年が始まる』を書いた人のことは、正直に言うと、読むまで知らなかった。でも、読んでみたら、今の自分にぴったりの内容で、心にしみた。きっかけは自分がもう中年であることに他ならないのと、著者のPhaさんと年齢が近いからである。 若いころは、失敗しても「まだ若いから」と許されたけれど、年を重ねると、だんだんそうもいかなくなる。まわりの目が気になったり、責任が重くなったりして、自由にふるまうのが難しくなる。そんな気持ちを、著者は自分の体験をもとに、わかりやすく、そしておもし…

「一次元の挿し木」松下龍之介

さすが、このミス大賞 * * * * * * * * * * * * * * * * * 2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作 ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。大学院で遺伝学を学ぶ悠がDNA鑑定にかけると、四年前に失踪した妹のものと一致した。不可解な鑑定結果から担当教授の石見崎に相談しようとするも、石見崎は何者かに殺害される。古人骨を発掘した調査員も襲われ、研究室からは古人骨が盗まれた。悠は妹の生死と、古人骨のDNAの真相を突き止めるべく動き出し、予測…

極私的2025年 BOOKS ベスト10!

映画ベスト10に続き、今度は「本」でベスト10、いってみます。 こちらも毎年一度の楽しみ化している! とはいえ今年は1位に選んだ本と8位 NEXUS(上)(下)に時間を大幅に取られた… アップに至った本は多くはないが、それ以外にも数的には倍以上は読んでおり、 × 10で。 リンク内のコメントはタイトルとアップ時のサブタイトル、2行目は今回のコメントとなります。 1位 onscreen.hateblo.jp 2025年を代表する一冊といえば、これになるしか、ない...(笑) 2位 onscreen…

8割捨てる大作戦:のんびり今年を振り返る

ランチはコロッケサンド。 よく食べます。 シュトーレン、最後のヒトカケ。 海苔巻き穴子と豚汁 2025振り返り 捨てまくりの2025であった。といっても、10月の末からだ。 この本がきっかけ。 櫻庭さんのように、思い切って全部捨てることはできなかったけれど 考え方をおおいに、学んだ。 自分としては、けっこう、思い切って、捨てた。 サイドボードとテレビ台は、そのものを処分できるくらいに たくさんのモノを処分した。 クローゼットに入れたわけではなく クローゼットそのものにも、だいぶ、空間ができた。 …

『源氏物語 4』 角田光代

源氏物語 4角田光代河出文庫 古典新訳コレクション2024年2月20日 初版発行2024年10月30日 2刷発行*本書は2018年11月に小社から刊行された『源氏物語 中』(池澤夏樹=個人編集、日本文学全集05) より「初音」から「藤裏葉」を収録しました。 3巻の続き。 megureca.hatenablog.com 目次初音(はつね) 幼い姫君から、母に送る新年の声胡蝶(こちょう) 玉鬘の姫君に心惹かれる男たち蛍(ほたる) 蛍の光がみせた横顔常夏(とこなつ) あらわれたのは、とんでもない姫君篝…

障害者支援員もやもや日記

心に残るエピソードがいろいろありました。 P3 経営していた会社が倒産したとき、私は還暦をとっくにすぎていた。 ・・・ 残された人脈を頼りに企業コンサルや医師のゴーストライターなどをやって、しばらく糊口をしのいでいたが、収入は不安定だった。・・・会社の倒産により多大な心労をかけた妻を安心させたいと思い、職探しを始めた。 2000年に新介護制度が発足したとき、新制度の本を何冊かプロデュースしたことがあった。どうせなら、その現場が今どうなっているのか見てみたい。いずれお世話になる身だもの……と思い、…

バズれアリス 1 【追放聖女】応援(いいね)や祈り(スパチャ)が力になるので動画配信やってみます!【異世界⇒日本】富士伸太  オーバーラップ文庫 感想

あらすじ・概要 聖女アリスは、周囲に追い落とされ辺境のダンジョンを攻略することになる。そこで不思議な鏡の力で飲食店を経営していた誠と出会う。おりしも向こう側の世界はコロナ禍が蔓延しており、誠の店は閉店寸前だった。利害が一致したアリスは配信者として他人の応援を集め、誠はマネージャーとしてそれを支え、自分の店の宣伝もしてもらう。 配信者になってみんなで迷宮攻略 みんなで力を合わせてラスボスを倒す。続き物のファンタジーでは綺麗に終わっていて楽しかったです。他人の応援によって強くなる能力がある聖女アリス…

どこもかしこもおじさん

気づいたら、 どこもかしこもおじさんだった。 駅前に立っているのも、 ベンチに座っているのも、 信号待ちで腕を組んでいるのも、 全部、おじさん。 若い人もいる。 はずなのに、 目に入ると、 おじさんに見える。 背中が丸く、 少し前のめりで、 同じような色の服を着ている。 最初は、 自分が年を取ったせいだと思った。 視界が、 そういうふうに 補正されているのだと。 でも、 ある日、 写真を撮ってみて、 少し変だと気づいた。 写っている。 本当に、 おじさんばかりなのだ。 カフェも、 電車も、 公園…

咸錫憲の宗教的韓国史 ②高麗

咸錫憲(金学鉉訳)『苦難の韓国民衆史—意味から見た韓国歴史』新教出版社,1980 高麗の使命 咸錫憲によると、高麗は高句麗が失敗した大帝国建設の事業を今度こそ成功させるために登場したが、またもや失敗してしまった。その原因は、仏教も儒教も無批判に受容し、自分で考えなかったせいだそうである。そして山崎闇斎が「孔子・孟子が日本に攻めてきたら徹底抗戦することこそ孔孟の教えに沿うことだ」と説いた例をあげて「日本人の方が賢明だ」と評価した。咸錫憲によれば、高麗人は優し過ぎてそのように考えることができず、儒教…

『陸王』を読んで考えたこと

『陸王』(池井戸潤,集英社,2019年6月30日)から引用した言葉を手がかりに、責任、挑戦、リスク、チームワーク、仕事のプライド、人生の賭け方、そして「好きなことをやる」という生き方について考察した読書メモである。 物語の力強いメッセージを通じて、自分の働き方や人生観を見つめ直す内容となっている。 責任を認めるという価値観 新しい開発に必要な覚悟 リスクとリターンの関係 チームで走るということ 仕事におけるプライドとは何か 人生を賭けるということ ランキング参加中読書 責任を認めるという価値観 …

『医師のつくった「頭のよさ」テスト』本田真美

医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン~ (光文社新書) 作者:本田 真美 光文社 Amazon 『医師のつくった「頭のよさ」テスト』を読みました。 著者の本田真美さんは医学博士で小児科専門医。 頭の良さは認知特性から6つのパターンがあるという。 ①視覚優位者・写真タイプ ②視覚優位者・三次元映像タイプ ③言語優位者・言語映像タイプ ④言語優位者・言語抽象タイプ ⑤聴覚優位者・聴覚言語タイプ ⑥聴覚優位者・聴覚&音楽タイプ 本に掲載されている35式の認知特性テストに答え…

戦時下の英国。報道機関BBCでの人間模様を静かに描く |『HUMAN VOICES』Penelope Fitzgerald

皆さん、こんにちは。 年初に「英語の本を月二冊読みたい」という目標を掲げておりましたが、結局平均して月一冊すら読めませんでした。英語力の向上も推してはかるべし。 でも買うのは楽しいものですから、洋書の積読が大変なことに…。来年こそは月に一冊はきっちり読んでいきたいですね。 ブッカー賞受賞作や候補作は確かに面白いし感じるものがあるのですが、いかんせんムズカシイ。他方、エンタメ系で読んでいるAgatha ChristieやJeffrey Archer は確かに面白いしpage-turnerなのですが…

星の王子さま

星の王子さま (岩波文庫) 作者:サン=テグジュペリ 岩波書店 Amazon かんじんなことは、目に見えないんだよ。 おとなも昔はこどもだった。 しかたなしに飛行機乗りに。 ヒツジの絵を描いてほしい謎のぼっちゃん。 おとなというものは、数字が好きです。ものさしね。 バオバブの木は星を乗っ取るから早いとこ引っこ抜かなきゃいけない。 「いま、朝のお食事の時刻ですわね。あたくしにも、なにか、いただかせてくださいませんの…。」お姫さま然とした花。 ワンマンだけど人のいい王さま。命令したがり。 うぬぼれ男…

はちみつ

『女の子は、明日も。』

『女の子は、明日も。』飛鳥井千砂 14年ぶりに再会した四人の女性達。かつての"仲間"は今日の"敵"……。 既婚者の男を妻子から略奪し結婚した麻里子。営業部での成績は良かったのに編集部では企画が落ち続ける女性誌編集者・悠希。裕福とはいえない暮らしをしながらもあてのない不妊治療を始めた、マッサージ師の仁美。 売れはじめた途端に周りからの嫉妬にさらされる翻訳者・理央。 30代女性のプライドと思惑が交錯し、生活や仕事、恋愛や体の問題に振り回されながら、確かな光を得るまでを描いた。 欲望の輪から自由になれ…

アポリネールに視るエロスとぼくと:昭和文學史私観 #17 (弾けるキャンディ、ボンルパ日記)

この、昭和文學史私観も、楽しみにしている人がひとり でもいることを信じ、久しぶりに行ってみよう。 2006年ですから、なんだかんだ云って、二十年前な んですよね。ぼくの読書人生も、もう四十年くらい、 いや、文字を読むようになってからだから、五十年ほ どにもなるのではないか。半世紀か。ぼくにとっては、 光陰矢の如しだが、若い人にとっては、まあ、やめときま しょう。じゃあ、行ってみよう。 2006年 4・17 「若きドン・ジュアンの手柄ばなし」 ギヨーム・アポリネール 窪田般彌・訳 一九七五年 この…

年末年始に読みたい新しい文芸誌『GOAT』

新しい文芸誌が異例の大ヒットだという。 newsdig.tbs.co.jp 芥川賞受賞作は、なんとなく毎回チェックして読んだり読まなかったりしているが、文芸誌というのはほぼ買って読んだことがない。 年末年始は、TVも見ないし、出かけることもないので、創刊号、第2号、第3号を買ってきた。 税込510円って、安い! A5版/約500貢くらいあってずっしり重い。お部屋のインテリアにもいいね。 ヤギや他のイラストが可愛く、文字が読みやすい。 パラパラっと見ると主に女性向けだね。 小説を、心の栄養に 小説…

東野圭吾『ガリレオシリーズ(短編含む)』 を読んで

こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、理系ミステリーの金字塔、東野圭吾の『ガリレオシリーズ』について語りたいと思います。短編も含めて、科学と人間心理が交錯するこのシリーズは、読めば読むほど深みにハマる魅力があります。 🧪 ガリレオシリーズの魅力とは? 『ガリレオシリーズ』は、物理学者・湯川学が、警視庁の刑事・草薙俊平や内海薫とともに、不可解な事件の謎を科学的に解き明かしていくミステリー作品群です。湯川の冷静沈着な推理と、時に人間味あふれる一面が絶妙なバランスで描かれており、読者を惹き…

【名前のない英雄 感想】

#龍聖の感想 『名前のない英雄』#読了 個人的にはタイトルもイラストも話の展開も好きで、 「傑作」と言いたいところだが、ちょっと話の盛り上がりの部分が惜しかったので良作くらいの表現に留めておきます(めちゃくちゃ楽しめました!!) この作品は、勇者が世界を救うより前のお話─── 凶暴な怪物「邪族」と戦い続ける日々。そんな時代で、辺境の山奥に不治の病を抱えた妹と二人暮らしをする少年がいた。 そんななか、<勇者の剣>の特務分隊のひとり、<魔眼>の少女から死を告げられる。 しかし、それでも少年は妹の不死…

ジョージア大使のつぶや記

著者:ティムラズ・レジャバ 発行元:教育評論社 ジョージア大使のつぶや記まとめ ジョージア大使のつぶや記を読んだ理由 ジョージア大使のつぶや記で仕事に活かせるポイント ジョージア大使のつぶや記の目次 ジョージア大使のつぶや記の感想 ジョージア大使のつぶや記まとめ SNS上でものすごく有名な大使であるレジャバさん。そんなレジャバさんの生い立ちと仕事に対するスタンスがわかる本。すごいなぁ。。。語学の天才だよ。若くして在日ジョージア大使になったレジャバさんの本当のすごさがわかる本です。ここまで日本語を…

話題の本棚 2025年12月版 ~直近6カ月以内に発売された注目の書籍24冊~

月初めor最終月曜日は、直近6か月以内に発売された本のうち、主に紙媒体の書評・ブックレビューで多く取り上げられた話題の本(掲載回数5回以上)を紹介します。読書などの参考になれば幸いです。 書評登場回数別一覧(書籍タイトル、著者.編者、出版社、税込価格、発売日) ◆9回デモクラシーのいろは 森絵都 KADOKAWA 2,310 2025/10/2 ◆8回戦争みたいな味がする グレイス・M・チョー 集英社 3,080 2025/7/25 失われた貌 櫻田智也 新潮社 1,980 2025/8/20 …

2025年11月の読書まとめ

2025年11月の読書まとめ。読書メーター調べ。 計52冊。1日1.73冊ペース。 ライトノベル35冊、ジュブナイルポルノ8冊、一般文芸・ミステリ4冊、美術関連3冊、競馬関連1冊、その他1冊。 比較的ライブやイベントも少なく土日は時間があったはずだけど、思ったよりも読めず。今年の読書ペースは駄目ですね。 11月の読書メーター読んだ本の数:52読んだページ数:14314ナイス数:211かくして少年は迷宮を駆ける3 色欲の迷宮と役立たずの魔法使い (MFブックス)の感想ナチュラルボーンサイコ悪女ムー…

松尾潔『松尾潔のメロウなライナーノーツ』

2025年11月16日にNHKラジオ第2で放送された『こころをよむ 日本を見つめる巨人 折口信夫 第7回 かそけき詩人、怒りの詩人』を聴いていたら、講師の上野先生が、「創作、批評(評論)、研究」の三つについて、次のように整理していた。 創作=小説・詩を書く 批評(評論)=どこが良いか、良くないか、 こう読まれるべきではないか、と言う。 研究=正しいか、正しくないか。作品がいつ出来て、どういう表現があって、 どのようになっているか。 それで、この三者の緊張関係が重要、馴れ合いは駄目ですよー、と話し…

核心に迫っていく『吉原手引草』松井今朝子

『吉原手引草』松井今朝子 幻冬舎文庫 吉原手引草 (幻冬舎文庫) 作者:松井 今朝子 幻冬舎 Amazon 137回直木賞受賞作品(2007年上期) インタビューを重ねていって核心に迫っていく手法。 実は最近読んだばかり。『木挽町のあだ討ち』(2023年直木賞)が似ている。 こちらの方が先なんだな。なんだかぼんやりしたところから核心が見えてくるのはやっぱり面白い。葛城って誰だ?なにしたんだ??? 吉原という特別な世界のルールみたいなものがどんどんわかってくるのもこの作品の醍醐味だろう。 ぐいぐい…

アンパンマンの原点と子どもの本♪

だれも知らないアンパンマン やなせ たかし 復刊ドットコム ★★★★★ 予想外に面白い! 『月刊いちごえほん』に連載されたマンガの『アンパンマン』 雑誌の性格から幼稚園~小学校低学年を対象にした作品と思われる。 絵本作品のアンパンマンは少し大人びているが、 このマンガでは最初から二頭身の姿で登場する。 それも裸で登場するのだ。可愛い♪ 恐らくやなせ先生はこの二頭身キャラを思いついたとき、 一つの確信を得たのではないかと思う。 他者に自己を惜しみなく差し出すヒーローをどう造形するか。 そもそもこの…

全てのドラゴン娘は京アニに任せろ!「ルリドラゴン」まさかのアニメ化ッ!! の巻

★現在ジャンプ+で連載中の「ルリドラゴン」が、まさかまさかのアニメ化されることが発表されましたよ、うれしくて泣きそう。 poison3rd.hatenablog.com poison3rd.hatenablog.com

アルジャーノンに花束を

こんにちは!おはようございます!こんばんは! もう2025年も残すところ数日となってしまいましたね。早い早い。 就活にテストに課題にとなかなか忙しい日々でしたが、やっと少し落ち着いたところです。クリスマスにはkindleを買ってもらいましたので、2026年ももっともっと本を読みたいと思います。 今回はあの不朽の名作「アルジャーノンに花束を」を読みましたので、感想を書きたいと思います。 この本は前も1回読んだことがありました。今回も概要はぼんやりと覚えていましたが、結末とか途中の細かい出来事はすっ…

(読書記録)インターフォン

団地を舞台にした短編小説。 ------------------------------- 市営プールで見知らぬ女に声をかけられた。昔、同じ団地の役員だったという。気を許した隙、三歳の娘が誘拐された。茫然とする私に六年生の長男が「心当たりがある」と言う(表題作)。頻繁に訪れる老女の恐怖(「隣人」)、暇を持て余す主婦四人組の蠱惑(「団地妻」)等、団地のダークな人間関係を鮮やかに描いた十の傑作ミステリ。 ------------------------------- 面白いほどに暗い話が多く、団地を…

6日出勤から1日の休みで休息・回復なんて出来るかよ

今日は天気が晴れで、洗濯にはちょうど良かったのだけれど、明日に洗濯したいので、明日に回しました。 お風呂の残り湯を使いたかったことと、昨日洗濯してたので、まだ洗濯物が多くなかったこと。 そして、明日から仕事は暇になるので、ゆーっくり、遅刻しない程度に出勤しても問題ないので、あたふた洗濯しなくても良いということも大きな理由のひとつです(笑) 仕事納めはまだ先。 午前中からハウスメーカーの所に行って、家の間取りの計画で、決定しているものの]再確認とその整理。購入する土地の大きさとその確認。 家の件は…

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』~2025年度版・新潮文庫の100冊を読んでいく~71

しばらく、のどの調子が悪かったり、採血で何度もやり直しして、結局その日の採血は中止になったりと、全体的な具合が悪かったために、読書も、あんまり気が乗らずにいた。のどについては、風邪というよりも、何か出来物のようなものができて、つばをのむと引っかかるので、気になっていた。今は、だんだんと治ってきている気がするが、病院で診てもらうことにした。 で、そんななかやっと新潮文庫のシリーズを読みだした。食わず嫌いだった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』というタイトルを持つこの書籍は、エッセイであ…

『きのうの空』志水 辰夫 (新潮文庫)

十年以上前に読んでいたのですが、いつか年の瀬に読み返そうと思っていた小説です。短篇の名手、志水辰夫の10本の掌編が載っています。終戦後落ち着いたころから昭和40年代まで、年代順に短編が並んでおり、作者と同じ昭和10年あたりに生まれた人たち主人公になっています。わたしの父が昭和9年生まれなので、自分にとっては父の年代の人たちがそれぞれの時代に体験した生活を読み取ることができました。それがなぜか懐かしく感じるのは、おそらく、わたしが幼かったころに、こういう生活をしながら大人になるのだろうと漠然と思っ…

2025年に読んだ本 前編

今年もあと4日となると、いよいよ年の瀬という感じがしますね。 年末恒例となった読んだ本の記録。 今年は5月に転居したこともあって、以前ほどには本が読めていません。今年読んだ本は27冊。昨年はひと月に3冊読んでいたペースだったので減っています。 図書館が遠くなったこと、さまざまな用事などで時間が取れなくなったことが大きいのですが、努めて体を動かすようにしていることも理由のひとつ。(じっと座っている生活が体に悪いといわれているので) 1.『世界一孤独な日本のオジサン』 岡本純子 角川新書 昨年末より…

答えをくれる本ほど危ない――執行草舟が“問い”を推す理由

読書梟 つづきを展開 nainaiteiyan.hatenablog.com 「あなたの本むずかしい」と言われることがある。分かる。自分でも、難しい言葉に寄ってしまう癖がある。しかし今日は、なるべく簡単に書く。執行草舟『誠に生く』を読了して、ひとつ強烈に残ったことがあるからである。それは、「答えをくれる本ほど危ない」という感覚である。 答えは気持ちいい。読み終わった瞬間、「なるほど、分かった」と言える。人生に地図ができた気がする。だが、その気持ちよさが、じつは落とし穴になる。なぜなら、答えは人を…

【お題】読書

「読書」 とかけて「できるビジネスマン」 ととく そのこころは ・・・・ ・・・・ ・・・・ 心に折れない刀を持て――ジャングリア沖縄、誕生までの挫折と成長の物語 そのこころは ・・・・ ・・・・ ・・・・「筋いいの読み早くカバーに手」 《コメント》 関連記事はこちら https://news.yahoo.co.jp/articles/8e49c5afdee9d894db2918881f37cebf9de84ccf ところで、 ジャングリアって上手くいっているの? 【清きご一票を】人気blogラ…

今日の一冊 『情婦』(戯曲『検察側の証人』)

日曜夜にこんばんは 本好きVtuber(近日デビュー予定)本多よむがお勧め本を紹介する『本多よむの異界図書館』のお時間です 今年も残るところ三日と少し 今年の仕事は納めて、家や旅先でのんびりしている方もいらっしゃる頃でしょう 年末の大掃除や年始の準備で大忙しの方もおいでと思います 年末年始もお仕事の方には感謝を お休みを満喫の方も、大掃除の方も、お仕事の方も、読んでくださる皆様が健康で安全に過ごされることを祈念しつつ、今年最後のご紹介はこちらです 『情婦』 師走のご紹介テーマ『あの作家のこの本』…

2025年に読んだ本【合計72冊】

2025年に私が読んだ本は合計72冊でした。 読書にのめり込んだのは9月からだったので、実質4ヶ月で72冊読んだと言えます。 現在すでに積読が50冊あるのですが、年末年始も書店で沢山買い込みたいと思っています。書店で本を爆買いするのも読書の楽しみだと知りました。来年の読書数は100冊超えそうです。 以下、今年読んだ本全ての書影をずらっと。 私なりの読書記録ですが、読んだ本・読みたい本を【ビブリア】というアプリで書影のみを簡易的に記録しています。 蔵書やちょっとした感想はNumbersで表を作って…

2025年の読書記録

今年、81冊の本を読みました。多くの学びを本から得ることができました。今更な部分もあるかもしれませんが、経験を積んだ今だからこそ理解が深まる部分もあるかもしれません。そうした学びをふりかえります。 2025年の読書記録 2025年の15冊 The DevOps ハンドブック ユーザーストーリーマッピング Effective DevOps ドメイン駆動設計をはじめよう ライト、ついてますか 学びのデザインパターン JavaScriptで数値を漢数字に変換する本 エンジニアリングマネージャーお悩み相…

冬休みのお供に~

今日は図書館が年内最後の開館日だったので、年末年始用に暮らしにまつわる本を借りてきました。 台所や料理の本、手仕事のこと、 俳句の本も台所の季語を集めたもの、 小説は1冊だけ。 冬休みのお供に~といいつつも、年中休みの身でございます(^^) 家事の合間にぱらり~と読んで、憩いのひと時を過ごせればいいなと思っています。 ・ひき出し一つから整う暮らし 婦人之友社 ・毎日立ちたいわたしの台所 宝島社 ・おいしい手づくり手帖 河合真理/著 ・生活すること、生きること 有元葉子/著 ・厨に暮らす語り継ぎた…

2025年 印象に残った本(ラテンアメリカ実学編)

2025年読書記録の続きです。前回の記事はこちら。 hirunecrocop.hateblo.jp 今回は文学作品以外のラテンアメリカ関係の本についてです。 国本伊代『メキシコ2018〜19年』 芝崎みゆき『古代マヤ・アステカ不可思議大全』 カール・タウべ『アステカ・マヤの神話』(藤田美砂子訳) 丹羽昌一『天皇の密使』 北澤豊雄『混迷の国 ベネズエラ潜入記』 国本伊代『メキシコ2018〜19年』 メキシコ2018~19年: 新自由主義体制の変革に挑む政権の成立 作者:国本伊代 新評論 Amazo…

「東京異界めぐり」(駒草出版)

公式サイト https://www.komakusa-pub.jp/book/b10151849.html さて、今日も、 長男夫婦が孫を連れて、 遊びに来てくれたので、 恒例の貯金読書ネタです。 【本田不二雄著・監修】 → 「へんな仏像」(学研パブリッシング) → 「ミステリーな仏像」(駒草出版) → 「神木探偵 ~神宿る木の秘密〜」(駒草出版) → 「異界神社 ニッポンの奥宮」(駒草出版) → 「仏像列島 日本のすごい仏像100」(TJ MOOK) → 「W24 日本の凄い神木 : 全都道府…

【読書感想】湊かなえ『暁星』|これは愛の物語だ

私たちは、信じることや愛について、深く考えがちだ。この人のことは信じていいのだろうか、この愛は本物なのだろうか。SNS社会で、あらゆる人の気持ちを簡単に目にすることができるようになり、よりそう思ってしまうのかもしれない。でもきっと、信じることや愛は、もっとシンプルなことなのだ。この人と一緒に生きていきたい、この人を守りたい。そんな、心の底から湧き出るシンプルな気持ちだ。 ■宗教二世をテーマにしたセンセーショナルな物語 https://amzn.to/44KjdNo 湊かなえさんの『暁星』は、文部…

本から学ぶ

今日は、法律に関する本を読んでいました。 労働に関する法律や個人情報に関する法律など、今の自分に必要なことなので知ってて損はないです。 知り合いの弁護士の方にも聞いたりして、自分の考えが間違っていないことも確認しました。 少し・・・・ 続きはこちら