トピック一覧

技術

eMudhraの中間CA証明書の秘密鍵の危殆化についてまとめてみた

2026年10月18日、Mozillaは、認証局eMudhraの中間CA証明書の秘密鍵が危殆化したインシデントをBugzillaに起票し、10月20日に公開しました。ここでは関連する情報をまとめます。 危殆化したのは中間CA8件 eMudhra(emSignブランドの認証局)の中間CA証明書のうち、TLS用6件とコード署名用2件の秘密鍵が、公開鍵から誰でも求められる状態だったことが、2026年10月17日に研究者から報告された(出典: 6, 9)。対象は、EM EV TLS CA、EM OV T…

あなたのJava、いますぐアップデート、が必要か確認する

eMudhraという認証局の中間証明書の秘密鍵が8ビットしか有効じゃなく偽造放題ということで、これらの中間証明書を無効にする必要があります。じゃないと偽物のサイトに接続してしまう可能性があります。 eMudhraの中間CAの秘密鍵が公開された証明書から復元可能と判明、pip・uvなどの開発ツールに修正版 | gihyo.jp で、ブラウザはだいたい対応しているはずだけど、いろいろなプログラムがHTTPS接続を行っているので、そのプログラムからも中間証明書が無効にならないといけません。 そして、J…

お名前 .com デスクトップクラウドへの不正アクセスについてまとめてみた

2026年10月22日、GMOインターネットは、「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスにより、サーバー内に保存されていた取引口座のログイン情報等が第三者に取得され、不正に利用された可能性があると公表しました。ここでは関連する情報をまとめます。 メンテナンス告知から始まった全プランの停止 「お名前.com デスクトップクラウド」は、MT4/MT5に対応したFX自動売買専用のVPSとして案内されているサービス(出典: 5)。GMOインターネットは10月19日に顧客からの問い合わせを…

PHP 8.5.12の緊急リリースにpixivはどう対応したか

こんにちは、Platform Division Infrastructure Unitのpicopicoです。 2026年10月21日、PHPに深刻な脆弱性(通称PHP2Shell)が見つかり、緊急のセキュリティリリースが予告されました。今回の脆弱性への対応にあたられた皆さま、そして現在も対応を続けている皆さまに、心より敬意を表します。 ピクシブでは影響を受ける可能性のあるサービスを10月21日19時より事前にメンテナンスモードにし、セキュリティアップデートのリリースを待ってパッチを当てる方針を…

Claude Opus 5.5でいい感じのアクションゲームを作るための一工夫七つ

Opus 5.5はゲームのアイデア作り、設計、実装、ビジュアル作成、作曲や効果音作成、などなど、ゲーム制作に必要な様々なタスクを高い水準でこなしてくれる。単に、こんな感じのゲームを作って、この辺が気に入らないから直して、という指示を与えてもゲームは作れるが、それにちょっとした工夫を加えることで、さらに優れたゲームフィールが実現できるようになる。その一案をここに書く。 どんなゲームを作っていたか ここに置いてある。どれもブラウザで遊べるので手軽に試して欲しい。昔のアーケードゲームっぽさを大事にした…

内製 Background Coding Agent “haro” で拓く未来の開発体験

LayerX バクラク事業部 Platform Engineering 部 Staff Software Engineer の izumin5210 です。 3D アクションゲームを始めたはずが工場自動化要素が入っていたせいで、昼夜を問わず何らかの生産性について考えています。 バクラク事業部 Platform Engineering 部では、社内のプロダクト開発を支援する、クラウド上で動作する Coding Agent “haro” を開発しています。 Ramp 社の Inspect などと同じ…

php2shellに感じたサイバー空間の『ドント・ルック・アップ』からサーバーの戸締りに至る空気の変遷

昼休みに感じた不穏な煙と焦燥 昨日の昼休み、一息つこうと思って何気なくXを開いたとき、タイムラインの片隅に流れるざわざわとした空気が目にとまった。お昼休みののんきな雑談やランチの投稿の合間に、セキュリティクラスタやインフラエンジニアたちがただならぬ緊張感をつぶやき始めており、セキュリティ専門家の高木浩光は鉄道の運行に例えてこんなポストを投げていた。 台風も近いことだし、今日は計画運休にしてはどうかな。今のこの速さなら言えるのでは。(これからの定着に向けた一歩よ。)あと、パッチが発表されてからでは…

メンテナンス中に503を返すだけでは足りない Google公式ドキュメントで読む必須・推奨・禁止事項

サイトメンテナンス時の正しいHTTP応答 緊急メンテ当日に各社の対応を調べてわかったこと なぜメンテナンス時のHTTP応答が重要なのか 必須事項 やらないと検索結果掲載に問題が発生する可能性があるもの 1. すべてのページで、元のURLのまま503を返す 2. robots.txtは503にせず、通常どおり200で返し続ける 3. 503を数日以上続けない 4. 復旧後、全URLが200を返すことを確認する 禁止事項 インデックスに問題が発生する可能性があるもの 推奨事項 Google公式に記載…

LiteLLMパッケージ 再侵害の概要と対策指針

2026年10月21日、PyPI パッケージ litellm に悪性コードが注入されました。2026年3月に発生した事案とは別の再侵害が発生しています。 注入された悪性コードは、Infostealer機能を持つマルウェアです。なお、PyPIのインストールにおいて、Takumi Guardをご利用の方は3日間の検疫期間が設定されているため、被害は発生していません。 本記事は、弊社が Takumi Guard の解析基盤をベースに観測&分析した情報を踏まえ、日本のコミュニティに向けて、影響と対策を中…

人はIssueとPRで判断するだけ — 自律AIループで回す開発プロセスの設計

■ 目次 目的は少ない人数でリリースの量を上げること 使う側から見た1件の流れ ready を付けると、トリアージが始まる 仕様書が PR で届く 実装も PR で届き、いつも通りレビューしてマージする 迷わないための工夫 構造: 状態ラベルとループ 人の判断の置き場所 承認ゲートは2つに絞る チェックシートは AI が下書きし、人が確定する 安心して任せられる理由 指示・手順で頼むことと、コードで強制することを分ける 迷ったら止まり、どこからでも再開できる 何が変わったか まだ甘いところと、こ…

PHPの重大な脆弱性「php2shell」(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)の概要と対応指針

PHP開発チームは2026年10月21日22時40分頃(日本時間)に重大な脆弱性2件を含む、セキュリティリリースをリリースしました。両件のCVSS v4.0スコアは9.2となり、どちらも一般的な構成において任意コードに繋がるものです。 本脆弱性の発見に関与すると見られる研究者の投稿、及び開示に関与した Wiz 社の記事 にて「php2shell」という名称が用いられています。 本稿では、各公開情報とGMO Flatt Securityによる独自の検証結果をもとに、PHPを利用する組織にてお願いし…

大学院生が研究ネタを見つける4つの方法(具体例付き)

今年3月に博士号取得予定です。学部4年生のころから、ずっと同じ研究室に所属し続けたおかげか、自分の研究に加え、後輩との共同研究もたくさん行うことが出来ました。その結果、博士論文提出時のジャーナル・国際会議・国内会議の論文数をすべて合計すると、主著が27本、共著は59本もあります。質の面はまだまだ精進が足りませんが、数の面だけは、自慢できるほどあるかなあと思っています。今日は、そんな私がこれまでの経験で得た、大学院生が研究ネタを見つけるための、4つの方法を紹介したいと思います。 方法1:アプリから…

ソフトウェアの産業革命

2026年9月、Anthropicの社内リポジトリには1日あたり3万件を超える変更がマージされていたそうです。5月の時点ではおよそ2,500件だったので、4か月で10倍以上。書いているのはほとんどがコーディングエージェントです。 この3万件を人が一行ずつ読んでいるとは思えないし、誰も読まずに本番へ出しているとも思えない。じゃあどうしているのか、というのが最近「ソフトウェアファクトリー」と呼ばれている話の出発点です。 名前だけ聞くとまたバズワードかという感じがするのだけれど、僕はこれを新しい開発手…

仕事を進めるだけでは、仕事しか進まない。木こりのジレンマを Claude Code で解いた5ヶ月の記録

朝、森を歩いていた旅人が、木を切っている木こりを見かけました。夕方、同じ道を戻ると、木こりはまだ同じ木を切っています。見ると、ノコギリの刃はぼろぼろに欠けていました。 旅人が声をかけます。「木こりさん、ノコギリの刃を研いだらどうですか」。木こりは答えます。「木を切るのに忙しくて、研いでいる暇なんてないんだよ」。 『7つの習慣』の「刃を研ぐ」の文脈でよく引かれる寓話です。初めて聞いたとき、私は笑えませんでした。私のことだったからです。 こんにちは。KNDです。 仕事を進めるだけでは、仕事しか進みま…

AIによるProof of Workの終わりと「なぜベストを尽くしたのか」のこれから

今年に入ってからというもの、私の YouTube での活動は大きく減ってほぼゼロになった。年始に TCP/IP スタックを24時間で作ったあと、ほとんど更新していない。これには2つの理由がある。1つは仕事が忙しいためであり、もう1つは仕事の方が楽しいためである。 AI の登場により、正しいことを十分に行うコストが激減したと感じている。以前であれば、方法を知らない、時間が足らないなどの理由で実現できなかったことが、AI の補助によって可能になった。特に集団で仕事をしていて感じるのは、少人数のチーム…

知らない分野を学ぶ技術 powered by AI

Open AI が証明したと主張している、Navier-Stokes 方程式の爆発解の構成の書籍を発売しました。 smooth-pudding.hatenablog.comそれに関連して、この書籍の活用方法や、AI を使って学びを広げることについて以下の記事で話しました。 smooth-pudding.hatenablog.com今回はより具体的に、自分がまだ知らない分野について、AI の力を借りて学ぶ技術について紹介します。といっても、確立された方法論があるというよりも、私が日頃試行錯誤して行…

Vitest v5.0 で新しくなったBenchmarkをCIで実行して比較する

Vitest v5.0ではBenchmark APIがリライトされました。 Vitest v5.0からはテストコンテキストから受け取る bench フィクスチャを test() の中で使う形に変わっています。これにより、retry やライフサイクルフック、expect によるアサーションといったテストランナーの機能を、ベンチマークでもそのまま使えるようになりました。 今回は新しい記法をキャッチアップするとともに、新しいAPIを使いながらCIでBenchmark結果を比較してみることにします。題材…

人による工数見積もりをやめて、AIに任せることにした

こんにちは、エンジニアの安達です。 これまでのタンプでは、新しい施策を検討するとき、事業部がやりたいことを整理し、それをもとにエンジニアがヒアリングを行い、開発チーム全員で工数を見積もっていました。 現在はこのプロセスを大きく変更し、事業部が要求定義を書き、AIがコードベースを確認しながら内容をレビューし、工数まで見積もる。その結果をもとに、事業部でロードマップの優先順位まで判断します。 つまり、エンジニアが関与しなくても、施策の工数見積もりと優先順位の判断ができるようになりました。 この記事で…

Claudeが実装したE2Eテストをレビューするツールを自作してみた

こんにちは。エムスリーのQAチームの須賀です。 私が担当するチームでは、開発経験のないQAエンジニアの方もClaudeを用いてPlaywrightのE2Eテストを実装しています。 Claudeを用いることでE2Eテストの実装自体は簡単になりましたが、Claudeが実装したコードは「テスト実行は成功するがテスト手順や操作対象が誤っている」こともあります。そのため、Claudeが実装したE2Eテストの振る舞いが正しいかどうかは人がチェックする必要があります。 自分でE2Eテストを実装する場合は、実際…

InstagramグラフAPIのプラットフォーム利用規約違反対応をしました

概要 SnapmartアプリではInstagramグラフAPIを使用しているのですが、8月下旬にMeta社より「プラットフォーム違反しているからAPI利用停止するね」とお達しがありました。*1 Instagram連携不具合解消のお知らせ | Snapmart(スナップマート)公式ブログ この記事では、InstagramグラフAPIのプラットフォーム利用規約違反対応内容を紹介していきます。 Meta社からの指摘事項 Meta社からは以下の指摘をされました。 Platform Terms 6.a.i…

漏えいが起きたときに最初に読んでほしい章を、発売前に公開します

1.今日のテーマ 今回は、2026年11月30日に有斐閣から発売される『個人情報保護法に基づくインシデント対応の実務』の一部を、発売に先駆けてこのブログで公開します。 公開するのは、本書第1部第1章「総論」の手元原稿です。インシデント対応の全体の流れと本書の読み方に加えて、個人情報保護委員会への報告フォームを1項目ずつ埋めていくためのガイドを載せた章です。 2.なぜするのか (1)最近のニュース ここのところ、個人情報(個人データ)の漏えいに関するニュースを見ない日はほとんどありません。10月7…

速くて安いAI「Jev」でQAを自動化してみた

はじめに こんにちは!株式会社エブリーで1ヶ月間、iOS エンジニアとしてインターンをしていた木村風葉です。ヘルシカの iOS チームで、食事記録まわりの改善や無料会員向けの機能追加など、いくつかの機能開発に取り組みました。 この記事では、インターンの後半に取り組んだ「Jev」という新しいAIを使った検証ツールづくりについて書きます。Jevは、文章を生成する代わりに「選択肢のどれを選ぶか」を確率付きで返すAIです。これを使ってiOSシミュレータ上のアプリを自動で触り回らせ、不具合を探す仕組みを作…

私物Macと仕事Macのdotfilesとアプリ管理をmise bootstrapで管理しやすくした

自分の設定ファイルやインストールするアプリは、https://github.com/shibayu36/config-file のリポジトリで管理している。これまでは私物Macと仕事Macが全く同じになるように、雑にsymlinkを張るスクリプトで運用していた。新しい仕事用のMacをもらったのをきっかけに、私物だけ・仕事だけに入れるものをちゃんと分けつつ、セットアップの自動化の度合いも上げたくなった。そこでsymlinkで張る今の使い方を変えずに済むmise bootstrapを採用した。 変更…

Mythos 対策プロジェクトの 2 ヶ月(概要編)

Project Logos Mythos の存在についてアナウンスされた今年の 4 月。 サイボウズのサービスでも、攻撃のリスクがあるなら対策が必要かもねぇ、と思っていました。 5 月ごろ、しばらくは調査として、様々なモデルを使い、一人で検証を重ねていました。 ところが 6 月の「本当に公開されそう」という続報をきっかけに、本格的な対策に動き出さないとまずそうだと考え、サイボウズ社内で Mythos 対策プロジェクトを始動しました。 私たちはそれを "Logos プロジェクト" と名付けました。…

APIセキュリティ、どこから見直す? OWASPとNISTを使った点検の始め方

こんにちは。レッドハットコンサルティングチームの木嶋です。 最近ニュースでは、情報漏洩事件が日々話題になっていますね。 AIの高度化に伴い、攻撃側によるAIの活用についても報告されるようになりました。 話題に上がる事件の中には、APIが攻撃経路の一つとなったと考えられるケースも含まれています。 この機会に今一度APIセキュリティの基本に立ち返り、自分たちのシステムで十分な対策が取れているか、振り返ってみてはいかがでしょうか。 AIエージェントの攻撃は、実はあまり特殊なことはしていない APIセキ…

AIコーディング時代のCS学生へ ── 35年プログラマーからのメッセージ

Language: 日本語 | English | 中文 はじめに:20年前のバグが教えてくれたこと 私は2025年の秋に、プログラミングのほとんどをAIに任せる「AIコーディング」を試し始め、2026年の夏にはすっかり移行しました。プログラミングを始めてから35年以上、ずっと楽しんで書いてきた人間としては、大きな方向転換です。 私は情報通信系の教員として講義を持ち、学生の研究を指導しています。この記事は、プログラマーとしての実感と、大学教員としての立場の両方から書いています。 きっかけは、20…

git worktree大増殖で困っていた

Gitのworktreeサブコマンドは、AIエージェント開発が普及してから急によく知られるようになった感があります。実際にこれが登場したのはもう10年前、2016年のことだそうですね。私自身は業務の性質上、複数の依頼案件を並列で進めることが多くてAIエージェントが出てくる前からworktreeみたいなことをしていました。同じリポジトリを何個もローカルに別々にcloneしてあっちへ行ったりこっちへ来たりと作業していたんです。それで昨今の流行でworktreeサブコマンドの存在を知ったときには悔しい…

エンジニアの技術力を測る「帯制度」をAIで爆速開発し、1年で450の "段位" を授与した話

はじめに こんにちは。プラットフォームエンジニアリング部門の池田(@progrhyme)です。 最近は自身のリソースのほぼすべてを、社内プロジェクト 「DOJO」 及びその内の施策の1つである 「帯制度」 に投入しています。 DOJOとは? MonotaROのDOJOとは、テクニカルスキルを中心とする社内の研修制度です。 制度の詳細や設立の経緯については、3月に公開されたこちらの記事をご覧ください(※外部サイトとなります)。 本記事では、DOJOの一部である 「帯制度」 という取り組みについて紹…

食べログアプリ開発で実践したハーネスエンジニアリング

こんにちは。食べログカンパニー 開発本部 技術部でアプリ基盤チームのリーダーをしている原です。チームでは、AI活用推進、プロダクト開発支援、技術広報などを担当しています。 2026年9月11日〜9月13日の日程で開催された iOSDC Japan 2026 のスポンサーセッションで、『スマホアプリ開発におけるハーネスエンジニアリングの取り組み』というタイトルで登壇しました。 登壇は20分枠で、時間の都合上、各事例は「目的・概要」「効果」を中心に紹介しました。この記事では、登壇内容をブログ向けに再…

株式会社LayerXに入社しました

2026/10/01から株式会社LayerXに入社しました。バクラクでAIエージェント関連の機能開発に携わっていく予定です。 layerx.co.jp bakuraku.jp 3年ほど前から@serimaさんに継続的に声をかけてもらっていて、LayerXへの温度感は少しずつ上がっていました。そこにタイミングが来たため入社を決めました。特に大きな理由は次の2つです。 プロダクト自体にAIを活用し、良い体験や全く新しい体験を生む開発ができそうだから ユーザーが何を本当に求めているか考え抜いて作りたい…

理解をどこまで手放すかは、リスク許容度と仕組みで決まる

最近「理解負債」とか「認知的負債」みたいな言葉をよく見かける。AI にコードを書かせても理解は手放すな、という記事もよく流れてくる。かと思えば、DHH が AI に Rust でコードを書かせているが1行も読んでないと楽しげに話していたりする。 色々目にして自分も何か書きたくなったので、今どう考えているかを書いておく。来年くらいに答え合わせができるといいな。 理解を手放すなという話は気持ちはわかる 説明できないコードを出すのは怖い。理解してないと検証もできないし、触るのも怖くなる。それはわかる。…

Xcode 27時代のCoding Agent完全マニュアル

先日リリースされたXcode 27では、MCP Toolの拡充を始めAI機能が数多く強化された。僕はβ版の時代からかなりヘビーに活用していたが、思った以上に知られていなかったり、まとまっている記事が少なかったので情報を整理してみる。 この記事は、Apple Platform開発にCoding Agentを使うための現時点(Xcode 27.0 ~ 27.2)におけるベストプラクティスになっているはず。 なお、この記事でのCoding Agentとは、Claude CodeかCodexを指すが、C…

「AI生成コードがダメすぎる」それは既存実装のせい。Voicyのバックエンド・リアーキテクトのすべて

千田 (@thousanda_io) です。 先日、「専門エンジニアを廃止した ─ Voicy開発統括が半年で実行した3つの構造改革 - Voicy Tech Blog」という記事の「バックエンド:noahのAIネイティブ化」節で、Voicyのバックエンドについて触れられていました。 今回は、これをより詳しく紹介します。 本記事にはAIが生成した文章は含まれていません。 1. AI生成コードがダメすぎる 2. これまで 2.1 バックエンドアプリケーション "noah" 2.2 基幹データベース…

AI に伴走してもらうチームマネジメントの試み

LayerX の Ai Workforce (AiW) 事業部の開発部で Engineering Manager をしている mootoh といいます。ちょうど本日、入社して丸1年を迎えました。1年前とは景色がまるで変わっていて、激動のAI時代に生きていることを実感しますね… ここでは、この半年で取り組んできたことを共有できればと思います。主な内容は以下になります: AI には、判断の自動化というよりは観測範囲の拡張を担ってもらい、コミュニケーションのきっかけをつくってもらう 現場の解像度を上げ…

Codexを使うなら、/recap・/copy・/exportを押さえておきたい

はじめに Codex CLIには、会話を要約する /recap、出力をコピーする /copy、会話全体を書き出す /export があります。いずれも会話に蓄積された情報を扱う機能ですが、対象と用途が異なります。 この記事では、3つのコマンドの役割と、関連する /compact・/status・/diff との違いを整理します。要約、コピー、保存で何が得られるのか。現在のコードや検証結果は、どこで確かめるのか。この区別を押さえると、作業の再開やPRの説明に必要な情報を選びやすくなります。 会話の…

エンジニアに抽象的に考える力が必要な理由ー課題を見つけるための私の習慣

こんにちは。MonotaROでWeb広告運用を効率化・自動化するためのシステム開発を担当している、広告システムチームの早川です。 会社で目標設定を行っている方、あるいは問題提起や仮説の検討に取り組んでいる方の中には、考えていることをうまく言語化できずに苦戦している方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。たとえば、次のような状態です。 目標の達成条件として「○○の機能を実装する」と書いてはみたものの、その必要性や、会社やチームにとってどのような価値につながるのかを説明できない 定量的な指標…

AIで要件定義を実践して分かった、大量のアウトプットを捌くための"問い"の作り方

目次 はじめに 規模が大きいほど、要件定義は大変になる まずはAIに要件定義書を一括で書かせてみた 「書かせる」のをやめて「問わせる」ことにした AIからの問いが多すぎる いま答えるべき問いにフォーカスする 問いの出し方とタグ付け基準をルール化する AIへの指示の出し方 要件定義以降もスムーズになった 判断の根拠がAIに引き継がれる 現在の運用:Slackで問いに答えると、工程が進む 今後の展望 まとめ おわりに はじめに こんにちは。食べログカンパニー 開発本部 ユーザープロダクト開発部 ユー…

Codexを使うなら、/goalとサイドチャットを押さえておきたい

はじめに Codexが修正している途中で、「なぜ、その判定を変えるのか」と聞きたくなることがあります。理由を知りたいだけなのか、その変更を止めてほしいのか。途中で送る一文にも、別の目的があります。 長い仕事を続ける /goal、途中の質問を分ける /side、実行中の指示変更と予約送信。それぞれ、作業を続ける条件、質問する会話、指示を送るタイミングを指定する操作です。9月のCLI更新では、下書きを残したままCodexからの質問へ答える機能も加わりました。 認証処理を直す仕事で考えてみます。修正は…

優秀なエンジニアの定義

(補足)なぜ "優秀なエンジニア" の定義が重要なのか pospomeが思う "優秀なエンジニア" とは "最大のボトルネック" を見つけるのは意外と難しい "現実的に解消できる最大のボトルネック" を探す 重要なのは "ボトルネックを探し続けること" まとめ 宣伝 株式会社カミナシで VPoE を務めている pospome です。 (´・ω・`) 前回 "優秀なエンジニアのDesign Docは何が違うのか?" という記事を書いたんですが、その流れで "優秀なエンジニアの定義" について書いて…

はてブコメントで攻撃的なやつをJevで隠す拡張機能

はてブのコメント欄には、有用なコメントも確かにある。 ただ、不毛な罵倒で消耗したくはない。 だから、Jevで攻撃的で役に立たないコメントを隠すChrome拡張を作った。 人気でも、攻撃的で役に立たない判定なら隠す

防犯カメラに映ってた窃盗未遂犯の顔が布で隠れていたので、それがヒジャブが云々などの「推理」が拡散してた

神奈川県の神社で連続して窃盗未遂が発生していた。これについては被害にあった神社による防犯カメラ画像が拡散していて*1、そこには顔を布で隠している窃盗犯が映っていたためにヒジャブではないかと、つまりはイスラム教徒の仕業であるかのような投稿がどうにも散見されていたようで。防犯カメラの映像は男性で、となると「ヒジャブ」はおかしいわけで、普通に考えたら防犯カメラ対策としてただ布で顔を隠しているのだろうで、この顔に巻いた布で窃盗犯の背景を明らかにしようとするのは培われた偏見の結果の様に見える。もともとの神…

AI時代のジュニアエンジニア育成で、『自走』をどう見極めるか

はじめに こんにちは。はじめまして。 開発部第四開発グループの橋本です。 シンクロ・フード開発部では、今期よりClaude Codeを全面採用し、開発における運用を始めています。 確かにAI導入により、開発工程における効率は上がりました。それにより一定の成果を出すことはできています。 が、世間一般の中小規模の開発組織のご多分に漏れず、レビュー・テスト工程を着実にこなすことができるミドル層・シニア層が不足してボトルネック化し、AIによる爆発的な速度改善を十分に活かしきれているとは言えません。 こち…

AIによりセキュリティで「防御側が勝てる時代が来た」のか?

cloud.watch.impress.co.jp先月の記事だが、これは個人的に衝撃的だった。「AI時代のセキュリティ」は、セキュリティを仕事にしていない人にとっても重要なトピックであり、少し前など AI のフロンティアモデルによる脆弱性の発見と、攻撃やっちゃった事例の両方が日々ニュースになっていたほどである(今は後者のニュースが多い印象)。つまりは AI はセキュリティの攻撃側と防御側の両方に力を与えるわけだけど、ブルース・シュナイアー『ハッキング思考』にあるように、AI は速度、規模、範囲、…

IAM Identity CenterのSSOは、サインインの裏で何が起きているのか

本記事は 2年目ウィーク 4日目の記事です。 📈 3日目 ▶▶ 本記事 ▶▶ 5日目 ✒️ はじめに アクセス許可セットが、各アカウントにIAMロールを配っている サインインしてから操作するまで セッションは二層になっている CLI(aws sso login)の裏側 おわりに 出典 こんにちは。山田翔也です。 最近は古着を買い集めていて、すっかり金欠です。大阪出張のときも、つい古着屋をめぐってしまいます。散財の話はこのくらいにして、本題に入ります。 はじめに AWSにSSOでサインインするとき…

【追加記事】シストレのススメ 3.5.投資指標の探索要領

シストレのススメ第4章「期待成長率の阻害要因」に進む前に、いったん追加コラムとして「投資指標の探索要領」を設けます。 ここで説明する内容は、本来はシストレのススメ第7章「アルファの根拠」、第8章「アクティブ運用と投資指標」で触れる内容が主となります。 また、投資指標を探索する上で重要なポイントは公開中のコラムの複数の箇所に点在しており、この追加コラムで取りまとめを行います。 1.投資指標とは 投資指標とは、ストラテジーの売買判断基準となる指標です。 よくある移動平均乖離率の逆張りストラテジー「1…

テックリードとアーキテクトの違い、テックリードとEMの違い

「テックリード」がどのような役割を指すのか、人によってバラつきがある。ある人は開発チームの「リーダー」「マネージャー」といった役職者をそう呼び、また別の人は「アーキテクト」と同義で使う。 テックリードが何を担い、何を期待されているのかの認識が、本人も含めた組織内で噛み合っていないのだ。これではテックリード本人だけでなく、チームや組織も十分なパフォーマンスを発揮しにくくなる。 そもそもテックリードとは何だろうか。この疑問を、アーキテクトとの違いやEM(エンジニアリングマネージャー)との違いから明ら…

開発環境を信頼できる状態に保つ

システムの開発環境は「そこで動くなら本番環境でも問題ないだろう」と思える状態を目指したい。 開発環境は動くだけでは足りない 「書いたプログラムが開発環境では動いたが、本番環境では動かなかった」それが続くと開発環境に対する信頼が揺らぐ。たくさんの資料を読んだり先人に聞かないとアプリケーションが立ち上がらない、README通りにコマンドを叩いてもエラーになる、一部機能は構成要素が足りなくて開発環境では動かない、、、なども同様にフラストレーションを溜める。 信頼できない環境で開発・動作確認したプログラ…

Google AI Pro(2,900円)へのAIサブスク統一でYouTube Premium LiteとGoogle Cloud費用と色々が実質無料

AIサブスクをGeminiに一本化した これまでプライベートで行なってきた開発作業や文章執筆において、Claude Code や OpenAI Codex などさまざまな AI サービスを試してきた。自腹で月額200ドルのプランを契約していた時期さえあったのだけど、仕事でのAI利用が一般化し、その反動として休日にはMacやスマートフォンなどを開く時間をできるだけ減らそうという生活習慣へのシフトを進めている。そんな状況では高い契約があるのだから使い果たさないと勿体無いと思ってしまうプレッシャーこそ…