トピック一覧

技術

JSONにケツカンマを求めるのは間違っているだろうか

間違っています。JSONは仕様が簡潔で融通が利かないところがメリットであり、ケツカンマやコメントを許容しないこともそれに一役買っています。ケツカンマやコメントが欲しければYAMLを使いましょう。YAMLはJSONのスーパーセットなので、JSONにケツカンマやコメントをつければYAMLとして読むことは出来ます。 JSONとYAMLにはそれぞれに良さがあり、それぞれの良さを他方に求めると、その価値を毀損します。言ってしまえば、JSONはシンプルでありYAMLはイージーなのです。 参考: Simple…

never が好き

この記事は はてなエンジニア Advent Calendar 2025 の 4 日目の記事です. id:susisu です. TypeScript の never 型がたいへん奥ゆかしいので見ていってください. 基礎編 まずは never 型がどういったものなのかを見てみましょう. 値のない型として 例えば number 型に対しては 42, 3.14, NaN など , string 型に対しては "", "Hello" などのように, 一般的な型にはその型が付けられる値が存在します. 一方で…

AIの真価を引き出す暗黙知のコンテキスト化手法

はじめに 対象読者 課題 解決案 実践:コンテキスト作成のフロー Step 1: Notion AIによる「叩き台」作成 Step 2: チームディスカッションと録画、Gemini処理 Step 3: GitHubでのチームレビューと品質担保 Step 4: AIエージェントでの活用 Geminiでの動画処理の工夫 Geminiプロンプトの設計 メイン処理定義 出力フォーマット定義 実行方法 コストと効率性 今後の展望:ドキュメントの自動更新 まとめ はじめに この記事はenechain Adv…

評価スコアが低かった開発アイテムをロードマップに載せるまでの道のり

tebiki現場分析のPdMのこみやまです。 Tebikiに興味を持ってくださっているPdM職はじめ開発職の皆さんに、優先順位付けや試行錯誤の状況、また社歴やPdM歴が浅くても、考えたことを実践する機会を得られるということが伝われば幸いです。 背景と課題: プロダクトの状況 開発アイテムの優先順位付けの方法 解決すべき課題 取り組み: ビジネス指標への影響をヒアリング 解像度を高めて認識合わせする まとめと展望: 案内: 補足: 自己紹介: こみやま 2024年11月入社。夫と 2歳半の息子と3…

1年カンファレンスを見張ってプロポーザル登壇10倍にした登壇文化形成

こんにちは、技術広報の @ShuzoN__ です。 今回は「1年カンファレンスを見張ってCfP 登壇10倍にした登壇文化形成」について書きます。と、言っても登壇者が1->10人 になった程度なのですが、思っていたよりも遠い道のりでした。 CARTAの場合は200人弱のエンジニアがいるため、ちょっとやそっとの施策や声がけでは全体に与える影響は大変小さく、少しずつ変化を生むだけでも地道さが必要でした。そこで2025年の1年で向き合っていたことについてお話していきます。 tl;dr 重要なのは以下の3…

OSCP+の受験で得た知見をSOCの運用に還元する

はじめに こんにちは、情報セキュリティ部SOCブロックの大山です。普段はSOC業務、いわゆる「守る側」の業務を担当しています。攻撃者視点の理解をより深めることで、検知の質や対応手順の説得力を高めることを目的に、OffSec社が提供する「OSCP+」および「OSCP」を受講し、それぞれ資格試験に合格しました。 本記事では、同じブロックの兵藤と共同で受講から合格までの流れや学び、実務への還元ポイントをまとめて紹介します。 目次 はじめに 目次 背景・課題 OSCPについて 試験形式(OSCP+) O…

DMARCをなめてました

この記事は、弁護士ドットコム Advent Calendar 2025 の 3 日目の記事です。 クラウドサイン SRE チームの進藤です。 「メール送信者のガイドライン」の改訂を機に「DMARCをなめるな」が公開されてから約 2 年が経過しましたが、ついにクラウドサインがサービスで利用する cloudsign.jp の DMARC ポリシーを quarantine に変更できました。 そこで本記事では、DMARC ポリシーを none から quarantine に変更するまでの流れを説明した…

「要件が決まらない」と嘆くのをやめて、企画と一緒に「業務」を作りに行こう

この記事は 食べログ Advent Calendar 2025 の3日目の記事です🎅🎄 「要件定義書、確認しました。これじゃ作れません」 「え、なんとかこのまま進められない?」 エンジニアなら一度は経験したことがあるであろう、この不毛なやり取り。 かつての私も、「要件を決めるのは企画の仕事、それを作るのがエンジニアの仕事」と明確に線を引き、ボールを投げ合っているだけの時期がありました。 こんにちは、食べログカンパニー飲食店プロダクト開発部予約業務基盤チームの @redpine です。 この記事は…

「この施策の目的とKPIは?」という問い掛け

たとえば、会議中とかSlackのやりとりで出た、こんなひとこと。 「これをする“目的”と“KPI”は?」 さっきまですぐにアクションに移すべきことを話していたはずが、「目的とKPI」が決まるまで実行することはできなくなり、「なぜやるのか、どう計測するのか」を決めるための会話に時間がとられ、すべてが停滞している。 翌週、やっと目的の話がまとまってきたと思ったら「その目的であれば別の方法が良いのではないか」という話になり、なんのアクションを実行することもできないまま1、2ヶ月が過ぎ、そのうち「検討し…

AI で再注目された技術やツールたち

これは はてなエンジニア Advent Calendar 2025 2 日目の記事です。 年の瀬なので振り返りたくなる季節ですね。 今年も AI の話題が非常に多く、コーディングエージェントの普及を始めいろんな変化がありました。新しいモデル、高まる精度、飛び交うビッグマネー、跳ね回る驚き達。そういう景気の良い話はさておき、既存の技術が新しい文脈で再注目されたり、思わぬ用途で広く使われるようになったりすることも起きています。 今日はそんな「以前から存在していたけど AI によって新しい価値を見出さ…

goroutineを作ってみる。Rustで

この記事はエムスリー Advent Calendar 2025 2日目 兼 マネジメントチームブログリレー9日目の記事です。 こんにちは、エンジニアリンググループ General Manager 兼 基盤チームリーダーの横本(@yokomotod)です。 今回はgoroutineについての自由研究です。 「軽量」「何万個も作れる」「並行処理が簡単に書ける」...そんなgoroutineの裏側はどうなっているんでしょうか。 なぜOSスレッドより「軽い」の? グリーンスレッドとは違うの? なぜパフォ…

Goroutineよりも高級で、Async/Awaitほど世界を分断しない、Oxという選択肢

他の言語の非同期プリミティブと比べてもOxかなり良いな〜という記事です。 先日Ox v1.0.0がリリースされた。Oxはプログラミング言語Scalaの非同期処理ライブラリで、Java 21から搭載されたVirtual Threadの機能を活用して、非同期処理のための道具を使いやすい形で提供してくれる。 github.com 今回ついに1系がリリースされたので、改めてOxを紹介し、他の言語における非同期処理プリミティブと何が違うのか、どう便利なのかを紹介していければと思う。OxはScalaのライブ…

なぜ AWS 移設をするのか

ヘンリーで SRE をやっている id:nabeop です。 これは株式会社ヘンリー Advent Calendar 2025 (シーズン1) の2日目の記事です。昨日は VPoP (VP of Product) の縣 (id:agtn / @agatan) による事業戦略は技術戦略に影響を与えるが、技術戦略もまた事業戦略に影響を与えるべきでした。 今年の SRE チームの大きなトピックとしてクラウド基盤を Google Cloud から AWS に移設するプロジェクトが進んでいます。プロジェク…

『リファクタリングは余裕ができたら』を卒業した話 〜ロードマップと歩むコード改善〜

この記事はANDPAD Advent Calendar 2025の 2 日目の記事です。 メリークリスマス🎄 バックエンドエンジニアの武山 (bushiyama) です。 去年に引き続き、ANDPAD請求管理のバックエンドを担当しています。 多くの開発現場で聞かれる「余裕ができたらやろう」。 しかし、ロードマップは常に詰まっており、その「余裕」は永遠に来ないのでは? その考え方を「卒業」し、今年1年かけて実践してきました。 ロードマップ(機能開発)という「攻め」と、 リファクタリングという「守り…

事業戦略は技術戦略に影響を与えるが、技術戦略もまた事業戦略に影響を与えるべき

こんにちは。ヘンリーで VPoP (VP of Product) をしている agatan です。 2025年の10月から、これまでのエンジニアとしての役割に加え、VP of Product & 製品部門長という役割を担うことになりました。 これまではテックリードやアーキテクトなど、エンジニアとして、ヘンリーの複雑で巨大なドメイン(レセコン・電子カルテ)に技術面からアプローチしてきました。 VPoPという立場になり、プロダクトと事業をより俯瞰して見る中で、自分の中にあった「ある種の先入観」に気づ…

「きのこカンファレンス in 関西」に参加し、人生について話してきました

2025/07/26(土)に開催された「きのこカンファレンス in 関西」に参加してきました!というこれを書いている今は12/1なので、4ヶ月遅れの参加レポートです!遅くなってすみません!【非公式】きのこカンファレンス in 関西 - connpass「エンジニアがこの先生きのこるためのカンファレンス」略して「きのこカンファレンス」の関西版、非公式だけど公認という位置づけですね。元エンジニアとしてサバイブしてきた話をさせてもらいました。参加したきっかけは、主催者の id:luccafort さん…

OCR技術の変遷と日本語対応モデルの性能検証

こんにちは、バクラク事業部AI・機械学習部の飯田 (@frkake) です。 こちらはLayerXアドベントカレンダー1日目の記事です。初日は @izumin5210 さんの記事との二本立てです。 最近、DeepSeek-OCRの登場など、OCR界隈がにわかに活気づいていますね。LLMやVLMの進化に伴い、OCRも単なる「文字起こし」から「構造の読み取り」、さらには「内容の理解」へと進化しているのを感じます。 そこで本記事では、改めてOCR技術の変遷を振り返りつつ、各モデルを自作のサンプルデータ…

NotebookLMを使いながら本を読む時にやってみてよかったこと

はじめに こんにちは。バックエンドエンジニアの齋藤です。 今回は、個人の学習としてNotebookLMを使って書籍を読む時にやってみてよかったことについてご紹介します。 この記事は、株式会社asken (あすけん) Advent Calendar 2025 の1日目の記事です。 NotebookLMとは NotebookLMとは、GoogleのGeminiを使った情報整理・リサーチアシスタントツールです。pdfやWebサイトなどをアップロードすると、その情報を整理・分析してくれます。 noteb…

普段使いできる保護レイヤー「restricted shell」の紹介

これは はてなエンジニア Advent Calendar 2025 1日目の記事です。 はてなでフロントエンドエキスパートをしている id:mizdra です。普段は JavaScript を書いてて、趣味で色々なツールを作ってます。 ところで最近、npmjs.com へのサプライチェーン攻撃が話題ですね。以前から npmjs.com ではサプライチェーン攻撃が発生していましたが、今年は規模が大きいものが頻繁に発生しています。 Active Supply Chain Attack: npm Ph…

CTOの一言で大学生になった29歳エンジニアの話

はじめに 大学入学編 なぜ大学に入学したのか 基礎を体系的に学びたい 海外への移住 大学選び 主な通信大学 大学通学編 メリット 知識の引き出し 学習習慣 デメリット 単位を取らねば 他の勉強に制限がかかる これから社会人大学生になろうと考えているあなたへ 単位認定を狙う 勉強スケジュールを立てる 試験日・課題提出期限を把握して予定を立てる 文明の利器を活用 おわりに はじめに こんにちは!iimonでフロントエンドエンジニアをしている「みよちゃん」です!なんと、アドベントカレンダー初日に選ばれ…

教え方を教える: ソフトウェアエンジニアリングと中学受験

……春にして君を離れ……でも今は春じゃないわ、十一月じゃありませんか…… アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』 はじめに この文章は、「競技プログラマーのためのコーディング面接、これだけ」というタイトルで書き始めたものだ。以前よりソフトウェアエンジニアの教育をしており、年によっては GAFA が揃うこともある。Google のソフトウェアエンジニアだけでも10年近く毎年入っており、教えられて入った人も教えるようになり、今年曾孫(4代目)の Google ソフトウェアエンジニアが誕生した。ただこ…

私物PCのマルウェア感染起因とみられる業務利用Slackへの不正ログイン事案についてまとめてみた

2025年11月4日、日本経済新聞社は同社社員個人が保有するPCがマルウェアに感染し、端末から認証情報が流出したために、同社が業務で利用しているビジネスチャットツール「Slack」へ不正ログインが発生したと公表しました。ここでは関連する情報をまとめます。 私物PCマルウェア感染によりSlackの認証情報流出 マルウェアの感染が確認されたのは日本経済新聞社社員が個人で保有するPC。この感染を介して、Slackの認証情報が流出した。Slackへの不正ログインはこの流出した認証情報が悪用されたと同社は…

認証認可学習のすゝめ

カミナシの認証認可ユニットでソフトウェアエンジニアをやっているトモ=ロウです。 先日、過去に弊社で行った共通ID基盤構築プロジェクトに関するブログ記事を公開したのですが、お読みいただけたでしょうか?まだ読んでいない方は是非ご一読ください! スタートアップがゼロから作る共通ID基盤:立ち上げ〜ID統合まで道のり(前編) - カミナシ エンジニアブログ スタートアップがゼロから作る共通ID基盤:ID統合のその先へ(後編) - カミナシ エンジニアブログ さて、今回は前半に「認証認可完全初心者だった自…

AIで攻撃者視点を強化する:LLMによるRed Teamオペレーション高度化検討(インターン体験記)

こんにちは、NTTドコモグループの現場受け入れ型インターンシップに「D2:攻撃者視点に立ち攻撃技術を研究開発するセキュリティエンジニア」ポストで参加させていただきました、島田です。 本記事では、本インターンシップでの取り組みについて紹介いたします。 NTTドコモグループのセキュリティ業務、特にOffensive Securityプロジェクト(以下、PJ)に興味のある方、インターンシップの参加を検討している方などへの参考になれば幸いです。 Offensive Security PJとは 参加経緯 …

スクラムマスター研修でよく理解できたデベロッパーのあり方

みなさんこんにちは!ふるまいチーム、アニメーター改めビヘイビアデザイナーの中里です。 社内外で"アニメーター"と呼称されていた我々ですが、採用活動強化などを機にロールが分かりやすくなるよう呼称を"ビヘイビアデザイナー"に変更しました。多少分かりやすくなったでしょうか?社内での浸透率は体感50%くらいです。 本題と逸れてすみません、今日は6月に受講した認定スクラムマスター(CSM)研修でなんとスクラムマスター(SM)だけではなくデベロッパー(Dev)のこともよく理解してしまったので、記事にしたいと…

生成AIを使って割り込み業務を現場で勝手に改善したらちやほやされた話

こんにちは。2019年と2024年に記事を書いていた山本です。ますます元気にモノタロウで働いております。 さて、毎日、散発的に、突然やってくる割り込み業務って、地味~に疲れますよね。そんな負担がかかっているチームメンバーたちを少しでも楽にするため、生成AIを活用して業務改善をし、我ながら見事な成果を上げたものの、全然スマートじゃない野暮な設計をしているのが恥ずかしくて、公表と展開はチーム内だけに留めていました。 当社の生成AI活用のレベルが高いのは、他のブログ記事をご覧になれば分かると思います。…

React 19 に上げるときに困ったことをざっくり振り返る

こんにちは、アプリケーションエンジニアの鈴木です。 先日、私が担当しているtebiki現場分析を React v18 から v19 にアップグレードしました。 この対応は半年以上前から計画されていたものの、私自身初めての経験が多く、なかなか着手できずにいました。 今回ようやくリリースまでこぎつけたので、特に大変だったポイントや、やっておいて良かったことまとめます。 「依存ライブラリの対応状況の調査」が大変だった React 側の変更点はアップグレードガイドを読めば理解できます。 一方で「Reac…

asken に入社して1ヶ月のiOSエンジニアの感想

はじめに こんにちは。今月より asken に入社いたしました、髙橋と申します。 askenに入社してあっという間に1ヶ月が経ち、エンジニアとして新しい環境に身を置き、たくさんの刺激を得たので、レポートにまとめてみようと思います! 私の経歴 新卒から iOS エンジニアとしてキャリアを重ねてきました。今年で10年目を迎え、これまで暗号資産の販売所アプリ、BtoB向けのSaaSアプリ、金融系アプリなど、さまざまな分野でiOSアプリの開発を担当してきました。 開発以外ではゲームや映画、甘いものが好き…

実装の 9 割を AI に任せる。食べログのジュニアエンジニアが構築した AI 連携開発フロー

こんにちは、食べログのアワード予約チームに所属するジュニアエンジニアの南野です。弊社では業務への AI 導入が進んでおり、開発のあり方が変わりつつあります。本記事では、実務で試行錯誤を行なった上で私が API 開発のリードタイムを削減させた AI 連携開発フローについてご紹介します。 今回の開発では、強力な助っ人として、役割の異なる 2 種類の AI が活躍してくれました。 開発環境で利用できたのが、こちらの AI たちです。 コーディングアシスタント: コーディングをサポートしてくれる AI …

「Goで作る自作コーディングエージェント nebula 開発入門」が良かった

エージェント実装の理解を深めたいなと思い、「Goで作る自作コーディングエージェント nebula 開発入門」を読みながらコーディングエージェント実装の写経をしてみた。学びが多く、非常に良かった。 zenn.dev 実際に作ったコードは https://github.com/shibayu36/nebula にある。資料と違って、ちょっとだけ設計を変えてみたり、セッション一覧表示を作ったり、編集時のdiff表示を作ってみたりなどもしてみた。 この実践では、エージェントを作る時の基本構成や設計パター…

Yubikeyを買ったのでLinuxのログインや1passwordのロック解除が出来るようにしてみた

最近、認証情報を整理してファイルにベタ書きしているデータを撲滅し1passwordに寄せたら、やたら1passwordの認証が要求される様になってしまったのでYubikeyをポチった。 予定通りLinuxでも無事設定できたのでまとめておく。 ちなみに、今回買ったのはこれ。 www.yubico.com 国内代理店は完売してるので直接yubicoのサイトから買った。 Type-CにしたのはノートPCとかタブレットとかでも利用するなら将来的にこっちの方がいいかなと。自宅で利用する場合はAの方がいいん…

Ruby × Rails × Wasm で動く正規表現エディタ Rubree をリリースしました

はじめまして、シモカワと申します。 この度、長く Rubyist に親しまれてきた Rubular の使い心地を受け継ぎつつ、現代的にアップデートした正規表現エディタ Rubree をリリースしました。 Ruby の正規表現エディタのカリスマ的存在である Rubular には、現代の Ruby 環境での利便性や拡張性の面でいくつか課題がありました。 古い Ruby バージョン上で動作している(執筆時点で Ruby 2.5.9)ため、処理速度や安全性の面で最新 Ruby の恩恵を受けられない OS…

コミットメッセージをClaudeに書かせるgit aicommit

そういうコマンドがあるわけではありません。 以下のような git alias を .gitconfig に設定すると git aicommit で Claude にコミットメッセージを書かせられるというだけです。 [alias] aicommit = "!f() { COMMITMSG=$(claude -p 'Generate ONLY a one-line Git commit message in English, using imperative mood, summarizing wh…

生成AIによって大量のデタラメ政治情報が毎日毎日量産されている

https://www.threads.com/@shunstagram0730/post/DQ6kNndEnNK スレッズで以上の様な投稿が拡散していた。そもそも上記の様な「強制送還作戦」などは事実は一切なく、ソースは次のyoutube動画だろう。 https://www.youtube.com/watch?v=7OQen03MAq8 生成AIで作成されたであろう政治関連動画であるが、その中身はソースもなく述べられている事はデタラメだ。ちなみにこの動画を作成したのは「Mutfak zamanı…

エンジニア評価制度を再設計した1年の軌跡とこれからのチャレンジ

はじめまして。 アンドパッドで主にエンジニア組織のマネジメントを行っている辻です。 アンドパッド開発本部ではこの1年あまり、エンジニアの評価制度を見直すプロジェクトに取り組んできました。 目的は、多様化するエンジニアのキャリアを正しく評価できる仕組みをつくることです。この記事では、制度見直しの背景から、取り組みのプロセス、現状、そしてこれからの展望について紹介します。 元々の評価制度の課題とゴール設定 改善に向けてのステップ ステップ1:エンジニアのキャリアパスを明確化 ステップ2:Gradin…

QAフローを最適化し、品質水準を満たしながらリリースまでの期間を最短化する

こんにちは、クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアのid:shiba_yu36です。最近はソフトウェアエンジニアとして機能改善を行うと同時に、開発フロー改善にも取り組んでいます。 開発フロー改善の一環で、QAフローについて課題を感じていました。手厚いQAフローによって障害を最小に抑えていた一方で、機能開発〜リリースまでの期間が長くなってしまっているという課題です。この課題の改善のため、QAフローを最適化し、品質水準を満たしながらリリースまでの期間を最短化する取り組みを行いました。 今回はその…

毎週大量のプルリクエストを捌く!Next.js App Router時代のスケーラブルなフロントエンドアーキテクチャ設計

はじめに こんにちは。Restaurant Service Devグループの高岡です。現在ぐるなびウエディングのフロントエンド開発・運用を行っています。 ぐるなびウエディングは結婚式場検索・予約サービスで、検索・会場詳細・特集・ランキングなど多様な機能を持つ大規模なウェブアプリケーションです。 そのぐるなびウエディングはリニューアルプロジェクトが進行しており、今年の7月に二次会検索と会場ページをリリースしました。 今回は大規模なウェブサービスのリニューアルにおいてチーム開発の効率性と保守性を両立…

社内資料「速習 AIエージェント入門」を公開します

こんにちは。LegalOn Technologiesでソフトウェアエンジニアをしている浅野(@takuya_b / @takuya_a)です。最近は検索推薦というよりはAIエンジニアっぽいことをしています。 このたび、社内の全プロダクトマネージャー・デザイナー・エンジニア・EM向けに「速習 AIエージェント入門」というタイトルで、AIエージェント開発の社内セミナーを担当しました。その発表で使用したスライドを、弊社のSpeaker Deckに公開しましたので共有します。 昨年、弊社のブログ「社内資…

Claude Code on the web で実現するどこでもゲーム開発

AI コーディングエージェントの登場により、エディタで直にコードをいじらずともプログラム開発が可能になった。最近はこれらエージェントをブラウザ上からも使えるようになった。たとえばClaude Code on the webがそのようなエージェントの一例だ。 これを使えばスマホでどこでもゲームが開発できるのでは?そう考えて作ったプロンプトやツールを、以下のリポジトリに置いた。 このリポジトリは 2024/3 から作っており、ここで LLM を使ったワンボタンアクションミニゲーム作りをいろいろ試行錯…

LLMで業務ワークフローを自動生成・最適化する! 〜ワークフロー自動生成・最適化の取り組みについて〜

こんにちは。LayerX AI Workforce事業部でR&Dチームのリサーチエンジニアの矢野目です。 こちらはLayerX AI エージェントブログリレー49日目の記事です。前回の記事はKenta WatanabeさんのAIエージェントを開発するPdMがやることをプロンプトを書きながら考えるでした。 今回の記事では、AIワークフローの自動生成技術開発の取り組みについてお話しします。 AIワークフローを構築する際、「どのような処理ステップを組み合わせるか」「各ステップでどんなプロンプトを使うか…

Hatena Engineer Seminar #35 「エンジニアリングマネージャー編」を12月8日にオンライン開催します #hatenatech

こんにちは。エンジニアリングマネージャーの id:daiksy です。2025年12月8日(月)に Hatena Engineer Seminar #35 「エンジニアリングマネージャー編」を開催しますので、お知らせします。Hatena Engineer Seminar #35では、id:daiksyを含む、はてなのエンジニアリングマネージャー(EM)が登壇します。 はてなには現在100名を超えるエンジニアが在籍しており、この規模の技術組織を支えるために、近年EMという役割を設けました。現在は、…

PipeCDを中心とした継続的デリバリー(CD)の改善の取り組み

こんにちは。tacomsエンジニアの @ikuwow です。 tacomsでは飲食店におけるデリバリーサービスの一元管理等を行うCamelというサービスを開発しており、 デプロイ時の障害が特定のユーザーに大きな影響を与えるという課題がありました。 この記事では、PipeCDを導入してユーザーグループ単位でのカナリーリリースを実現した取り組みについて紹介します。 抱えていた課題と目指した姿 まずは私たちが抱えていた課題について説明します。 変更障害の影響の大きさ かつてのCamelではデプロイ時の…

AIエージェントの制御を柔軟に。Strands Agents と Amazon Bedrock AgentCore で「Return of Control」を実装してみた

こんにちは、先日開催された社内イベント「ごーとんカップ 2025」にてセキュリティチャンピオンになりました、ソフトウェアエンジニアの渡邉(匠)です。「カミナシ 設備保全」の開発に携わっています。 最近、AIエージェントの技術トレンドに乗り遅れないよう、Amazon Bedrock を使ったプロトタイピングに取り組んでいます。その中で、Amazon Bedrock Agents で提供されている「Return of Control」という機能をStrands AgentsとAmazon Bedro…

組織横断で取り組む開発生産性:失敗から学んだ本当にやるべきこと

こんにちは。株式会社MonotaROのECシステムエンジニアリング(ECSE)部門で、ECサイトの開発を担当している岡﨑です。 「開発生産性」という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。 ツールを導入すること? Four Keysなどの開発生産性指標の数値を改善すること? それとも、開発プロセスを見直すこと? 多くの組織が「これだ」という正解を見つけられずにいる中、私たちもまた、指標計測の導入後の失敗や根本的な考えの転回といった「壁」に直面しました。 本記事では、MonotaRO で「開発生産…

AIで加速する個人、伸びないデリバリー──2025 DORAレポートが示すフローと摩擦の真実

AIツールを導入した結果、コーディングなど個人の作業スピードは上がった。けれど、チームや組織レベルのパフォーマンスはほとんど変わらない。むしろ、問題や混乱を招いている──そんな経験はないだろうか。 このギャップこそ、AI導入を進めた多くの組織が直面しているミステリーだ。 AI導入に関する2025年版のDORAレポートは、その原因が個人のスキルではなく、組織全体を動かす「システム」にあると指摘している。AIの真価を引き出せるかどうかは、ツールの性能や個人のスキル以上に、それらを組み込む組織構造やプ…

Figma出力の生成コードをAIとReact原理主義で粛清するAI指示テンプレート公開

なんだだかんだでキレイにいかないFigmaのコード出力 ROXXではAIエージェントによるプログラミングを推進しています。その中で私がぶつかった課題はフロントエンドのソースコード生成自動化がいまいち上手くいかないということでした。 figmaのMCP接続でキレイなコードがパッと出力されれば良いのですが、下記のような問題に直面していました。 一応デザイン通りに出たはけどそのまま使える感じじゃない 結局その後の直しや繋ぎ込みでそれなりに時間使ってたりする 気づいたらキレイにしきれてないコードがたくさ…

新人エンジニアはIaCとどう向き合うべきか

本記事は IaCウィーク 5日目の記事です。 ⚙️ 4日目 ▶▶ 本記事 ▶▶ 6日目 💻 こんにちは!25卒入社の柴原です。 入社から約7カ月、配属されてからは約3カ月が経ちました。あっという間です。 配属後は、AWS CDKやTerraformなどのIaCツールを用いたインフラ案件に従事していますが、分からないことだらけで日々苦戦しています。 その中で、「IaCをどうやったら使いこなせるか」や「どのように勉強すれば良いのか」は常に課題として考えています。 そこで今回は、新人目線でIaCとどう…

【書籍メモ】『Kaggle ではじめる大規模言語モデル入門 〜自然言語処理〈実践〉プログラミング〜』(講談社)

ご縁があり、講談社から共著で『Kaggle ではじめる大規模言語モデル入門 〜自然言語処理〈実践〉プログラミング〜』を出版します。 Amazon ページ や講談社の書籍ページは先日公開され、年明け 2026 年 1 月中旬に出版予定です。 書籍概要 書名の通り、Kaggle と大規模言語モデル (Large Language Models; LLM) を題材とした書籍です。 機械学習コンペティション(コンペ)での事例を通じて、LLM をはじめとした自然言語処理に関する実践的な知識やプログラミング…